松村北斗、映画『ファーストキス 1ST KISS』で年齢を超えた演技に挑戦
松村北斗、異なる年齢を演じ分ける挑戦とその背景
映画『ファーストキス 1ST KISS』の完成披露舞台挨拶が都内で行われ、SixTONESの松村北斗や松たか子といった豪華キャストが登壇しました。この映画は、結婚して15年目に夫を亡くしたカンナ(松たか子)が、タイムトラベルによって過去の夫・駈(松村北斗)と再び恋に落ち、彼を事故死から救おうとする物語です。ラブストーリーでありながら、過去と現在を行き来することで人生の選択について深く考えさせられる内容になっています。
松村北斗はこの映画で、29歳と45歳という異なる年齢のキャラクターを演じ分けています。CGや加工に頼らず、肉体的な変化や声のトーンを駆使して年齢差を表現したことで、撮影現場では大きな話題となりました。脚本を手掛けた坂元裕二氏も「CGを超えたものを見せてもらえた」と賛辞を送り、松村の演技力を高く評価しました。
松村北斗の演技力に見る人間性の深層
松村は、29歳と45歳のキャラクターを演じるにあたり、肉襦袢を着用して体型を変えるとともに、声のトーンを調整することで年齢差を表現しました。彼自身はその声の変化について「試写で見たときに加工で声を下げてくれているのかなと思った」と述べており、自分の演技が自然と年齢差を生み出していたことに驚きを示しました。この自己発見のプロセスは、俳優としての成長を示すと同時に、観客に対しても新しい驚きを提供するものです。
彼が演じた駈というキャラクターは、タイムトラベルを通じて人生の選択肢を再考する機会を得ます。このようなシナリオは、我々が日常で抱える「もしも」を具現化し、観客に自身の人生の選択を再評価させる力を持っています。松村の演技を通じて、観る者はタイムトラベルの可能性や、過去の選択が現在にどう影響を与えるかといったテーマに対し、深く考えさせられるのです。
共演者たちとの関係性がもたらすもの
松たか子との初共演について、松村は「ずっと前から僕のことを知っていたかのように振舞ってくださって嬉しかった」と語っており、互いの距離感に自然体の関係を築いています。このような共演者たちとの関係性が、映画全体の雰囲気を自然で温かいものにしています。特に、松たか子は「松村の輪郭がはっきりしている」とユーモアを交えて表現し、その俳優としての存在感を高く評価しました。
また、吉岡里帆が撮影中に目撃したリリー・フランキーとの交流エピソードは、現場の和やかな雰囲気を象徴しています。吉岡は、リリーが松村を「お触り」している様子を見て「母性本能をくすぐられている」と感じたと語り、笑いを誘いました。松村自身もリリーとの交流を楽しんでおり、プライベートでも食事に行くなど、その関係は映画外でも続いているようです。
映画『ファーストキス 1ST KISS』の持つ魅力
この映画は、坂元裕二氏の脚本と塚原あゆ子氏の監督による初のタッグ作品であり、期待が高まっています。坂元氏はこれまで数々のヒット作を手掛けてきた脚本家であり、彼の描く人間関係や感情の複雑さは、多くの人々に共感を呼んでいます。一方、塚原監督は視覚的な演出で知られており、その手腕が本作でも如何なく発揮されています。
映画は観客に「もしも過去に戻れたら、何を変えるか」という永遠のテーマを投げかけます。この問いかけは、我々の人生における選択の重みを実感させ、未来をどう生きるかについて考えさせるきっかけとなります。映画の中で松村が演じる駈のキャラクターは、過去の選択が未来にどう影響を与えるかを体現しており、観客に深い印象を与えることでしょう。
『ファーストキス 1ST KISS』は、単なるラブストーリーを超えた、人間の感情や選択の重みを映し出す作品です。松村北斗の演技をはじめ、キャストたちの個性豊かな演技が物語を引き立て、観る者を魅了します。映画の公開が待ち遠しいですね。
[伊藤 彩花]