栗山英樹氏が語る未来のスポーツ指導と人間性の追求
栗山英樹氏が描く未来のスポーツ指導
北海道日本ハムファイターズの栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)は、野球界だけでなく日本のスポーツ全体の発展を見据えた独自の指導哲学を持っています。彼の考え方は、単に勝利を追求するだけでなく、選手たちの人間性や社会貢献にまで及んでいます。これは、かつて日本の野球界を牽引した名将・三原脩氏の影響を受けているといいます。
栗山氏は、三原氏の墓前に花を手向けることを長年の習慣としており、彼の教えを胸に刻み続けています。三原氏は、日本の野球界でプレーヤー、監督、さらには球団社長として、その時代の先を見据えたリーダーシップを発揮しました。栗山氏もまた、野球人口の減少という課題に直面しながら、スポーツの未来を考えることの重要性を説いています。
スポーツ指導哲学の変革
栗山氏の指導哲学は、単に選手に対して「こうしろ、ああしろ」と命令するものではなく、その背中を見せることに重きを置いています。これにより、選手たちは自主的に学び、成長する環境を作り出すことができるといいます。この手法は、栗山氏が著書「栗山英樹の思考」と「監督の財産」で詳しく語られており、彼自身の経験を基にした思考の集大成となっています。
彼のイベントに参加した卓球の五輪メダリスト、平野早矢香さんは、栗山氏の指導スタイルに感銘を受け、「栗山監督の下で卓球をやってみたかった」と語るほどです。平野さんは、トップアスリートである大谷翔平選手についても、彼の生き方や人間性が多くの人々に支持されていると述べました。栗山氏はこれに対し、選手たちに対して親としての視点を持ち「彼がどうなってほしいのか」を常に考えて指導していると答えました。
日本の野球界の未来を見据えて
栗山氏は、日本の野球界においても、ただ勝つだけではなく、人材育成や選手の社会貢献の重要性を強調しています。彼は、WBCでの優勝を果たした際にも、単に日本野球の強さを示すだけでなく、野球を通じて世界に日本の文化や価値を伝えることを目標としています。
さらに、栗山氏は若い選手たちの成長に期待を寄せており、新しい血が球団に活力を与えると信じています。昨シーズンのファイターズについても、今年は勝ち切るシーズンであるとし、新しい文化を築くためにチームの躍進を目指しています。
また、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手や佐々木朗希選手らに対しても、日本の野球が世界に通用することを証明するシーズンになると期待を寄せています。栗山氏は、野茂英雄選手が道を切り開いたことによって、日本の選手たちがメジャーリーグで活躍できる基盤が築かれたとし、その流れをさらに加速させたいと語っています。
[山本 菜々子]