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2025年01月16日 08時10分

森井翔太郎、アスレチックスとマイナー契約で二刀流に挑戦

森井翔太郎、アスレチックスとマイナー契約で新たな挑戦

アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)において、日本の高校生が直接契約を結ぶというのは非常に珍しいことです。東京・桐朋高校の森井翔太郎選手が、この異例のステップを踏むことになりました。アスレチックスは、彼とのマイナー契約を発表し、森井選手はその二刀流の才能を存分に発揮するための新たな舞台を手にしました。

森井選手は、高校時代に通算45本のホームランを打ち、投手としても最速153キロの速球を投げる実力を持つ若き逸材です。彼は「遊撃手兼投手」としてアスレチックスに迎えられ、二刀流でのプレーを目指します。アスレチックスのダン・フェインステインGM補佐も、「彼の願望は初めから二刀流をすることだと知っていました」とし、森井選手が投打両方で活躍する姿を楽しみにしていると語りました。

新たな挑戦の背景と意義

この契約は、国際アマチュア市場の開放によるもので、森井選手はこの市場がスタートした日に契約を結びました。契約金は約2億3000万円とされ、これは日本のアマチュア選手としては史上最高額です。この大きな投資は、アスレチックスが森井選手のポテンシャルを高く評価している証とも言えるでしょう。

森井選手は、シンシナティ・レッズで活躍するエリー・デラクルス選手をお気に入りの選手として挙げており、彼のようなスピードとパワーを兼ね備えた選手を目指していると語っています。デラクルス選手は昨季の盗塁王であり、森井選手の目指すスタイルは攻守に渡る活躍を期待させます。

アスレチックスの戦略と期待

アスレチックスは、森井選手が持つ二刀流の能力を最大限に引き出すための計画を進めています。投手としての腕を守りながら、野手としての実戦経験も積ませるため、投手コーチやストレングスコーチ、アスレチックトレーナーと連携して彼の育成に取り組む方針です。このようなアプローチは、選手のポテンシャルを長期的に引き出すために重要なステップとなります。

昨シーズンのアスレチックスは69勝93敗と苦戦し、アメリカンリーグ西地区で4位に終わりました。森井選手の加入は、チームの再建に向けた一つのピースとして期待されています。特に、アスレチックスがこれまでに「マネーボール」戦略で知られるように、限られた資源で最大の成果を上げることを目指している点からも、森井選手のような多才なプレーヤーの存在は重要です。

日本からの挑戦者

森井選手のアメリカ挑戦は、日本の野球界にとっても大きな影響を与えるでしょう。彼は国内12球団に対し、米球界挑戦の意志を固めた旨を伝え、指名しないように理解を求めたと言います。これに対して、あるNPB球団のスカウトは「本来ならドラフト1位で消えただろう」と語っており、彼の才能が国内でも非常に高く評価されていたことを示しています。

[中村 翔平]

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