IT
2024年11月29日 07時03分

楽天モバイル、5G拡大で通信品質向上へ!未来のネットワーク戦略とは?

楽天モバイル、通信品質改善の道のりと未来の展望

近年、楽天モバイルは通信品質の向上に向けた積極的な取り組みを続けており、その成果が具体的な形となって現れています。特に、関東地方における5G(Sub6)エリアの拡大は、同社の技術的な革新と戦略的な投資の証と言えるでしょう。この記事では、楽天モバイルがどのように通信品質を改善し、どのような未来を描いているのかを探ります。

進化するネットワークインフラ

楽天モバイルは、3.7GHz帯と700MHzの整備に力を注ぎ、特に東京の繁華街である渋谷を中心に、狭い路地や屋内の電波受信状況を改善しました。これは、地下鉄や屋内施設、人混みといった通信が難しい環境でのエリア対策を強化してきた結果です。特に、東京メトロ内では他社との共用基地局の帯域幅を拡張し、2024年度中には約40%の進捗を見込んでいます。

また、楽天モバイルは、英Opensignalの調査でゲームエクスペリエンスと音声アプリエクスペリエンスで高評価を得ました。このことは、遅延やパケットロスを最小限に抑える技術力を示しており、利用者のネットワーク体験が着実に向上していることを物語っています。

Sub6エリアの拡大とその影響

楽天モバイルの5G(Sub6、3.7GHz)基地局は、関東地方でのエリアを2.1倍に拡大しました。これは、当初の計画を大幅に前倒しした成果であり、共用帯域の衛星通信との干渉調整条件の緩和により可能となったものです。また、基地局のソフトウェアアップグレードやアンテナの最適化によって、通信品質の向上が図られています。

このエリア拡大は、ユーザーの月間平均データ通信利用量が30GBを突破するなど、通信トラフィックの増加に対応するための基盤を提供します。動画ストリーミングやSNSでの動画サービスの普及が、このトラフィック増加の一因となっており、楽天モバイルは引き続きSub6基地局の増設を進めていく予定です。

災害対策と未来への備え

楽天モバイルは、災害時における通信の継続性にも注力しています。4×4 MIMO基地局を2×4にすることで、予備電源を延長し、通信途絶の影響を最小限に抑える「緊急省エネモード」を導入しています。さらに、米スペースXのStarlinkを活用し、災害復旧を支援する取り組みも進めています。2026年には、米AST SpaceMobileと共同で日本全域をカバーする通信サービスの立ち上げを計画しており、これは災害時の通信インフラの強化に寄与するものです。

まとめとして、楽天モバイルは通信品質の向上に向けた具体的な成果を挙げ、今後もさらなるネットワークの進化を目指しています。特に、5GのSub6エリア拡大はユーザーの利便性を高めるとともに、災害時の通信確保においても重要な役割を果たすでしょう。これらの取り組みが、楽天モバイルの競争力を一層高め、国内通信市場での存在感を強固にすることが期待されます。

[松本 亮太]