国際
2024年11月29日 07時06分

ウクライナと韓国、北朝鮮・ロシアの脅威に対抗!協力強化を模索

ウクライナと韓国、北朝鮮・ロシアの脅威に対する協力強化を模索

11月27日、ソウルで韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、ウクライナのウメロフ国防相をトップとする特使団と会談を行いました。この会談は、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、北朝鮮がロシアとの軍事協力を深めるという新たな脅威に直面する中で行われました。ウメロフ氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領からの特命を受け、韓国との協力強化を求めるために訪韓しました。

ウクライナと韓国の協力の背景

ウクライナは、ロシアの軍事侵攻に対抗するために、NATOやEU加盟国をはじめとする国際的な支援を受けてきました。特に、北朝鮮がロシアに兵士を派遣するなど、ロ朝間の軍事協力が進展していることはウクライナにとって新たな脅威となっています。韓国も、北朝鮮の軍事活動に対する防衛強化に努めており、今回の会談は両国にとって重要な意味を持っています。

尹大統領はウクライナとの協力強化に対する意欲を示し、「安全保障の脅威に対処するため、韓国とウクライナが実効的な対応を講じることを望む」と発言しました。また、韓国とウクライナは、北朝鮮とロシアの軍事協力に対抗するため、情報共有を続けることに合意しました。

武器支援の可能性と韓国の立場

ウクライナ側が韓国に対して兵器支援を要請したのではないかという見方もあります。ゼレンスキー大統領は以前、韓国からの防空システム支援を望むと発言しており、特使団の訪韓はその要請を具体化する機会と見られていました。しかし、韓国大統領府の発表には、具体的な武器支援の要請については言及されていません。

韓国政府は、北朝鮮とロシアの軍事協力の推移に応じて「段階的な対抗措置」を取るという立場を示しています。具体的には、防御用兵器の供与から始まり、状況に応じて攻撃用兵器の供与も視野に入れるとしています。しかし、次期米国大統領に決まったトランプ氏がウクライナへの巨額支援を批判していることから、韓国は慎重な姿勢を見せています。

韓国と米国の協力関係

韓国とウクライナの協力は、米国との緊密なコミュニケーションに基づいて進められています。韓国側は、米国と協力しながら、ウクライナに対する支援を模索していく意向を示しました。これは、国際社会の一員としての韓国の立場を強調するとともに、韓国の安全保障政策が米国の影響下にあることを反映しています。

また、韓国とウクライナは、北朝鮮とロシアの軍事協力による新たな脅威に対抗するために、友好国との協力を強化することを確認しました。特に、北朝鮮のロシア派兵や武器・技術移転に関する情報を共有し、共同で対応策を講じることが重要視されています。

ソウルでの会談は、ウクライナと韓国が直面する共通の安全保障上の課題に対する協力の一環として、両国間の結束を強化するものとなりました。ウクライナにとって、韓国との協力は、国際社会の支援を得るための重要な一歩であり、韓国にとっても、北朝鮮の脅威に対する地域的な安定を図る上での重要なステップとなります。

韓国とウクライナの協力関係がどのように進展するのか、特に武器支援の具体的な動きがあるのかどうかは、今後の国際情勢や米国の動向によって大きく左右されることになるでしょう。しかし、両国が情報を共有し、実効的な対応策を講じることで、北朝鮮とロシアの脅威に対抗するための強固な基盤を築くことが期待されます。

[高橋 悠真]