スポーツ
2024年11月29日 06時43分

前田大然のスーパーゴールで希望を掴む!セルティック vs クラブ・ブルージュ 1-1ドロー

前田大然のスーパーゴールがもたらす希望と課題:セルティックとクラブ・ブルージュ、1-1のドロー

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第5節で行われたセルティック対クラブ・ブルージュの試合は、1-1のドローに終わった。日本代表の前田大然が見事な同点ゴールを決め、スタジアムを歓喜の渦に巻き込んだ。しかし、この試合は単なるゴールの美しさを超え、セルティックが抱える課題と、彼らの未来への期待を浮き彫りにした。

セルティックは前節でドイツの強豪RBライプツィヒを逆転で下しており、勢いを持ってこの試合に臨んだ。一方、クラブ・ブルージュも同様にプレミアリーグの強豪アストン・ヴィラを破ったばかりで、両チームとも連勝への強い意欲を持っていた。試合開始早々から、クラブ・ブルージュが攻勢を仕掛け、セルティックは守勢に回る展開となった。

前田大然の輝き、セルティックの苦境を救う

前半26分、セルティックは想定外のオウンゴールで先制を許す。DFキャメロン・カーター・ビッカーズが無意識のうちにGKカスパー・シュマイケルへのバックパスを試みるも、シュマイケルの位置を確認せずに出したボールはそのままゴールマウスに吸い込まれてしまう。このミスによる失点が、チームに重くのしかかった。

しかし、後半になるとセルティックは反撃の姿勢を見せ始める。特に日本人トリオの一角を担う前田大然がその役割を果たすことになる。後半15分、前田はボックス左でボールを受けると、鋭い切り返しで相手DFの逆を取り、体勢を崩しながらも右足でのシュートを決めた。ゴール右隅に突き刺さったこの一撃は、セルティックにとって救いの1点となった。

前田のこのゴールは、彼が今季のCLで記録した3ゴール目となり、日本人選手としては香川真司や鎌田大地に次ぐ快挙である。このゴールは、彼のスピードと技術力の結晶であり、またチームにとっても重要なポイントをもたらした。

セルティックの課題:失点と攻撃の連携

しかしながら、セルティックにはまだ多くの課題が残されている。試合を振り返ると、オウンゴールの場面だけでなく、全体的にクラブ・ブルージュのプレスに対してセルティックのビルドアップが脆弱であったことが浮き彫りになった。特に相手のプレッシャーを前にした際のボール保持やポジショニングに改善の余地がある。

さらに、攻撃面でも連携不足が目立った。前田の個人技によるゴールは素晴らしいものであったが、チーム全体としての攻撃の形が見えてこなかった。特に旗手怜央や古橋亨梧が中盤や前線での起点となる場面が少なく、個々の能力に頼る場面が多かった。

このような課題を克服するためには、チーム全体としてのビルドアップの精度向上と、攻撃における連携の強化が急務である。特にCLのような高いレベルで戦い続けるためには、個人の技術だけでなく、チーム戦術の成熟が必要とされる。

セルティックは現在、CLのリーグフェーズで暫定19位に位置している。次節に向けては、チームとしての一貫性を高め、試合ごとに進化する姿を見せることが求められる。前田をはじめとする日本人選手たちの活躍は、セルティックにとって大きな力となっているが、彼らのパフォーマンスを最大限に引き出すための戦術的なサポートが不可欠だ。

セルティックが次に迎える試合では、彼らがどのようにしてこの試合から得た教訓を生かし、勝利を掴むのかが注目される。ファンやサポーターにとっても、前田大然のような選手がチームを牽引し、さらなる高みを目指す姿を見守ることは、大きな期待と楽しみを与えてくれるだろう。

[松本 亮太]