カンニング竹山とハリウッドザコシショウ、変化するお笑いの今
芸人たちの進化と挑戦:カンニング竹山とハリウッドザコシショウの今
日本のお笑い界は、日々進化を続ける生き物のようなものです。かつての「キレキャラ」で知られたカンニング竹山と、その誇張モノマネで知られるハリウッドザコシショウが、その進化の中で新たな道を模索しています。彼らの最近の動きから、変化の波に乗るための苦労と喜びを垣間見ることができます。
「キレキャラ」から「優しいおじさん」へ:カンニング竹山の変化
カンニング竹山(53)は、かつての「キレキャラ」としての自分を振り返り、時代の変化と共に「優しいおじさん」へと変わりつつあることを語りました。竹山は「コンプライアンスがうるさい時代になった」と述べ、かつての荒々しいキャラクターを持ち続けることが難しくなったことを認めています。彼の変化は、お笑い界全体のトレンドを反映していると言えます。最近では、観客や視聴者が求める笑いの質が変わり、芸人もまたそれに応じて自身をアップデートする必要があるのです。
イベントでは、竹山が「髭男爵」のひぐち君と共に「カクヤス公式アプリ」リニューアル記念の発表会に出席しました。若手時代に同店舗でアルバイトをしていたという竹山は、イベントのオファーに感謝を述べました。このような過去の経験が現在の活動に繋がるのは、芸人としてのキャリアの面白さの一つと言えるでしょう。
ハリウッドザコシショウの新たな挑戦と地元愛
一方で、ハリウッドザコシショウ(ザコシ)は、新番組「冠ザコシの冠冠大冠」を地元の静岡でスタートさせました。この番組は、ザコシが地元で冠番組を持ったらやりたいことを詰め込んだもので、彼の「ザコシワールド」が凝縮されています。ザコシは、「東京のザコシとは違うMCトークにも注目してほしい」と述べ、地元の静岡放送(SBS)と共に、新しいバラエティー番組の形を模索しています。
ザコシはまた、昨年自腹で放送枠を買い取り制作費も全額出資した「提供ハリウッドザコシショウ」の経験を活かし、地元の番組でも新たな試みを続けています。これにより、地方でのバラエティー番組制作の可能性を広げているのです。
芸人たちの進化と自己表現の難しさ
竹山とザコシの変化は、芸人たちが直面する自己表現の難しさを示しています。竹山は、過去の「キレ芸」が通用しなくなった時代に対応するため、自分を変化させることを選びました。そしてザコシは、誇張モノマネが誤解を招く可能性に対して慎重になりつつも、自分のスタイルを貫こうとしています。
「誇張モノマネで気を付けるようになったこと」を問われたザコシは、「面白いだけでは難しい世の中になってきている」と語り、芸人としての責任と挑戦に対する意識を示しました。これには、竹山が自身のキャラクターを変える必要を感じた背景とも通じるものがあります。
これらの変化は、芸人たちが時代の流れに柔軟に対応し、新たな道を切り開く過程の一部です。彼らは、自分たちのスタイルを維持しつつ、観客の期待に応えるための努力を続けています。
竹山とザコシの物語は、芸人たちがどのようにして自己を再定義し、変化する世界に適応していくかを示しています。それは時に苦労を伴うものですが、そのプロセスこそが彼らの芸風やキャリアをより豊かにし、視聴者に新たな笑いを提供する力となるのです。
芸人たちが新しい挑戦を続ける中で、私たち観客もまた、彼らの変化を楽しみ、応援していくことが求められています。彼らがどのような新しい笑いを生み出すのか、今後の展開にますます期待が高まります。
[伊藤 彩花]