新星輝く!早明戦で早稲田大が17年ぶりの全勝優勝達成!
新星が輝く早明戦、早稲田大が17年ぶりの全勝優勝
歴史と情熱が交錯するラグビーの舞台、早明戦。その記念すべき100回目の対戦で早稲田大学が明治大学を27-24で下し、17年ぶりの全勝優勝を果たした。国立競技場には4万人以上の観衆が集まり、今年も熱い戦いが繰り広げられた。早稲田大の勝利の鍵を握ったのは、フレッシュな1年生たちの活躍だった。彼らの奮闘が、長きにわたるライバル関係に新たな章を刻んだ。
1年生の活躍で新時代を切り開く
試合のクライマックスで観客の注目を集めたのは、早大の1年生コンビ、SO服部亮太とWTB田中健想であった。彼らは後半ロスタイムに、明治大学の猛攻を体を張って阻止。田中は「自分の前にボールが来たら、『とにかく絶対に止める』と常に狙っていた」とコメントし、その強い意志が勝利に繋がったことを明かした。
服部もまた、試合中に見せたロングキックでその存在感を発揮したが試合後は控えめに「(前戦の)早慶戦とも違う雰囲気、緊張感。力をあまり出せなかった」と振り返った。監督の大田尾竜彦も「これも経験。まだまだ伸びしろがある」と彼の成長に期待を寄せている。
防御こそが勝利への道
今年の早稲田大は、攻撃力だけでなくディフェンス力の強化に重点を置いてきた。その背景には、伝統的にFWの強さを誇る明治大学の存在がある。大田尾監督は「彼らに勝つにはディフェンスの整備やセットプレー、フィジカルの強化が必要だった」と語り、シーズンを通じての戦略的な準備が奏功したことを示した。
試合中、フッカーの佐藤健次主将は「この状況を楽しんでいた」と語り、チームメートに「最後はディフェンスだ」と声をかけながら冷静に相手の攻撃を封じ込めた。まるで一流のシェフが素材の持ち味を引き出すように、早大の選手たちはディフェンスの持ち味を見事に発揮した。
歴史に刻まれた名勝負
この試合は1923年に始まった早明戦の100回目という記念すべき節目に行われた。歴史を背負った両校の選手たちは、まるでタイムスリップしたかのように、その伝統の重みを感じながらも、未来を見据えたプレーを見せた。2年生のFB矢崎由高は「僕の人生の5倍くらいある伝統の試合に出られて光栄」と感慨深げに語り、その誇りが彼のパフォーマンスに反映された。
試合は序盤から激しい攻防が続き、早稲田大は前半にフッカー佐藤のトライで先行。その後、明大に一時的にリードを許したものの、WTB田中のトライで再び優位に立った。そして後半には、FB矢崎のトライで逆転。最後はディフェンスの力で3点差を守り抜き、勝利を収めた。
未来への期待
早稲田大学はこの勝利で、全勝優勝を決めただけでなく、次なるステップへの足掛かりを得た。大学選手権に向けて、チーム全体の成長と進化が期待される。若い選手たちがもたらす新しいエネルギーと、伝統の重みを背負ったベテランの技が融合することで、早大ラグビーの未来はますます明るく輝いている。
この試合は、単なる勝利を超えた価値を持つ。早稲田大学の選手たちは、熱い情熱と緻密な戦略で、ラグビーというスポーツの魅力を存分に体現した。新たな時代の幕開けを告げるこの勝利は、彼ら自身の成長物語の一部であり、同時に日本ラグビー界全体に希望をもたらすものである。
[松本 亮太]