日野チームスガワラとTOYOTA GAZOO Racing、ダカールラリー2025への挑戦!日本の技術と情熱の結晶化
日野チームスガワラとTOYOTA GAZOO Racing、ダカールラリー2025への挑戦
ダカールラリーという砂漠の中の戦場で、日野チームスガワラとTOYOTA GAZOO Racing(TGR)が、2025年の大会に向けてそれぞれの決意を新たにしている。両チームは異なるアプローチと哲学を持ちつつも、共に日本の技術と情熱を世界に示そうとしている。
日野チームスガワラの挑戦と家族の絆
日野チームスガワラは、ダカールラリーのトラック部門での連続完走記録を33回に伸ばし、過酷な条件下でもその存在感を示してきた。2025年の大会に向けては、チーム代表でありドライバーの菅原照仁氏が、父・菅原義正氏の持つ20回連続完走というギネス記録に並ぶことを目指している。これは単なる記録更新の試みではなく、家族の歴史と誇りがかかった挑戦でもある。
壮行会での菅原氏のスピーチには、時折ユーモアを交えつつも、協力会社や販売会社、家族への感謝が溢れていた。とりわけ、販売会社から選抜されたメカニックたちが、日野の屋台骨を支える要として期待されているという話には、家族のような絆を感じさせる。彼らは、日野のレース活動に憧れて入社した第二世代であり、ダカールの過酷な舞台でその技術と情熱を試されることになる。
また、日野の「600シリーズ」をベースにした車両には、エンジン配管経路や部品剛性の見直し、クラッチ板の強化といった改良が施されている。これらの改良は、過去の経験を基にした予防整備の強化とともに、より速く信頼性の高い車を目指す努力の一環だ。
TOYOTA GAZOO Racingの革新と挑戦
一方、TOYOTA GAZOO Racingは「GRダカールハイラックスEVO」の最新仕様を6台投入し、2025年のダカールラリーに挑む。その目標は、信頼性と耐久性をさらに強化した車両で優勝を狙うことだ。チーム代表のアンドレア・カルロッチ氏は、「継続的な改善」に根ざしたトヨタのモノづくり哲学を誇りに、今年のチームが若さと経験の融合であることを強調した。
TGRは、ルーカス・モラエス選手やセス・キンテロ選手の活躍によって、2024年シーズンのW2RC(FIA世界ラリーレイド選手権)でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しており、その勢いをダカールラリー2025に持ち込みたいと考えている。彼らの「GRダカールハイラックスEVO」は、過去の成功を土台に、過酷な地形にも耐える車両として更なる改良が施されている。
日本の技術と情熱が交錯する舞台
日野チームスガワラとTOYOTA GAZOO Racingは、両者ともに異なる背景と目標を抱えているが、共通しているのは日本の技術力と情熱を世界に示すという点だ。日野は、トラック部門での連続完走記録を更新し続けることで、信頼性の高さを証明している。一方、TGRは、GRダカールハイラックスEVOの進化を通じて、トヨタのイノベーションと持続可能な未来への取り組みを示そうとしている。
このように、ダカールラリーという舞台は、単なるレース以上の意味を持つ。そこには、機械と人間の限界を超える挑戦、そしてそれを支えるチームの絆や家族の物語が詰まっている。日野チームスガワラとTOYOTA GAZOO Racingの挑戦は、まさにその象徴であり、両者の活躍に期待が寄せられている。
ダカールラリー2025は、両チームにとって新たな歴史を刻む場となるだろう。日野チームスガワラの連続完走記録が続くのか、またはTGRが新たな勝利を手にするのか、いずれにせよ日本の技術と情熱が結晶化する瞬間を楽しみにしたい。
[伊藤 彩花]