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2024年12月02日 14時52分

『阿修羅のごとく』是枝裕和監督が語る四姉妹の絆と笑いが話題に!

『阿修羅のごとく』の舞台裏:是枝裕和監督が明かす四姉妹の絆と笑い

Netflixの新作ドラマシリーズ『阿修羅のごとく』が完成し、主演の宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すずの4人が登壇した完成報告会が話題を呼んでいる。このシリーズは、日本のホームドラマの金字塔ともいえる向田邦子の名作を是枝裕和監督がリメイクした作品で、視聴者たちに新たな感動を届けることが期待されている。

1979年が舞台となるこのドラマは、四姉妹が父親の愛人問題をきっかけに、それぞれの人生と向き合いながら織りなす人間ドラマである。四姉妹の関係は、時に激しくぶつかり合い、時に深い絆で結ばれる。そんな複雑な感情の交錯を、日本を代表する女優たちが見事に演じ切った。

是枝監督の舞台裏暴露:カオスの中に生まれるチームワーク

是枝裕和監督が撮影の舞台裏を明かしたビデオメッセージでは、宮沢りえと尾野真千子が現場でどれだけ賑やかだったかが語られた。「宮沢さんと尾野さんだけだと収拾がつかない」と笑いを交えながら語る監督は、そのカオスの中で蒼井優が「まとめ役」として活躍し、末っ子役の広瀬すずが「一番しっかりしていた」と感嘆している。

宮沢りえは「本番以外はずっとしゃべっていた」と振り返り、監督の優しさに感謝しつつ、「実の妹ができたような感じ」と共演者たちとの親密な関係を語った。その一方で、蒼井優は「18分間ずっとふざけ続けることもあった」と、撮影現場での自由奔放な一面を垣間見せ、尾野真千子が「根に持つわね」と冗談を交わす。まさに撮影現場は、笑いの絶えない家族のような雰囲気に包まれていた。

四姉妹の化学反応:個性が生むドラマの深み

この作品で描かれる四姉妹は、それぞれが異なる価値観や恋愛観を持ちながらも、互いを思いやる姿が細やかに表現されている。宮沢りえが演じる長女・三田村綱子は、しっかり者である一方で、妹たちに対する深い愛情がにじみ出る。尾野真千子の次女・里見巻子は、ユーモアあふれるムードメーカーとして、時には現場を混乱に陥れることも。三女・竹沢滝子を演じる蒼井優は、冷静な視点で姉妹をまとめる役割を果たし、広瀬すずの四女・竹沢咲子は、無邪気さとしっかり者の側面を持ち合わせたキャラクターとして、ドラマに新たな風を吹き込む。

広瀬すずは「末っ子なので甘えさせていただいた」と、共演者たちとの楽しい現場を振り返りながら、その充実感を隠しきれなかった。「撮影でしゃべりすぎて笑いすぎて、すごい痩せたんです」と語る彼女の言葉からは、撮影現場がどれだけ活気に満ちていたかが伝わってくる。

是枝監督と向田邦子の魂のコラボレーション

このドラマは、向田邦子の名作を、現代の視点で再解釈しつつ、その本質を忠実に描き出すことに成功している。是枝裕和監督は、「向田ファンとして一度はチャレンジしたかった脚本。それが日本のトップ女優によって実現しました」と感慨深く述べている。向田邦子の作品が持つ人間模様の深みと、是枝監督の緻密な演出が見事に融合し、視聴者にとっても新たな発見と感動をもたらすことだろう。

八木康夫プロデューサーも登壇し、向田作品への深い敬意と情熱を語った。彼の企画のもと、是枝監督の手腕によって新たに生まれ変わった『阿修羅のごとく』は、単なるリメイクに留まらず、オリジナルを超える新たな名作として期待が寄せられている。

この作品が描くのは、家族の絆や個々の葛藤といった普遍的なテーマでありながら、その中に新しい視点や価値観が織り込まれている。ドラマの放送が開始される2025年1月9日が待ち遠しい限りだ。この四姉妹が織りなす物語は、視聴者の心に深く刻まれることだろう。

[佐藤 健一]