大谷翔平の「50-50」が流行語大賞を逃すも、スポーツ界の影響力は健在!
大谷翔平の「50-50」と流行語大賞の舞台裏:スポーツ界とエンタメ界のせめぎ合い
毎年恒例の「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、世間を賑わせているが、今年はその舞台裏にひときわ興味深いドラマが展開された。大賞を逃したものの、MLBドジャースの大谷翔平が達成した「50-50」という偉業がトップ10に入選し、スポーツ界の注目を集めた。しかし、年間大賞に輝いたのは阿部サダヲ主演のドラマ「不適切にもほどがある!」の略称「ふてほど」。この結果は、スポーツ界とエンタメ界のせめぎ合いを象徴する出来事と言えるだろう。
大谷翔平の「50-50」の快挙とその影響
大谷翔平は、今年メジャーリーグで史上初となる50本塁打、50盗塁を達成し、「50-50」という言葉が生まれた。この驚異的な記録は、彼が単なる野球選手の枠を超え、スポーツ界全体の象徴的存在となったことを示している。それもそのはず、今季の大谷は159試合に出場し、54本のホームラン、59盗塁、打率.310、130打点という成績を残し、ドジャースを4年ぶりのワールドシリーズ優勝に導いた。
彼のこの偉業は、野球界だけでなく世界中のスポーツファンから称賛を受け、彼自身もまた2年連続3度目のリーグMVPに選ばれるという快挙を達成した。しかも満票での選出は、史上初の出来事であり、彼の人気と実力がいかに突出しているかを物語っている。
しかし、今年の流行語大賞は、これらのスポーツ界の偉業を凌駕するエンタメ界の勢いを示した。「ふてほど」という言葉は、ドラマの面白さと社会的メッセージの融合によって多くの共感を呼んだ。昭和と現代のギャップをテーマにしたこの作品は、時代の流れを反映し、多くの視聴者の心を掴んだ。
流行語大賞におけるスポーツ界の存在感
流行語大賞のトップ10には、大谷翔平の「50-50」以外にも、スポーツ関連の言葉がいくつか選ばれている。例えば、パリオリンピックで総合馬術団体が92年ぶりに銅メダルを獲得した「初老ジャパン」や、やり投げ金メダリスト北口榛花の「名言が残せなかった」など、いずれもスポーツの枠を超えたエピソードが含まれている。
「初老ジャパン」は、平均年齢41.5歳という年齢を感じさせるネーミングでありながら、若さに負けない活力と競技に対する情熱を示している。この言葉が流行語に選ばれた背景には、年齢を理由に諦めない姿勢が多くの人々にインスピレーションを与えたことがある。
一方、北口榛花の「名言が残せなかった」は、彼女の競技後のインタビューでの発言をきっかけに話題となった。この言葉は、競技の結果だけではなく、その過程や選手の人間味がどれだけ重要かを示している。スポーツ選手の言葉が流行語になることは、彼らが社会に与える影響力の大きさを再確認させるものだ。
エンタメとスポーツの競争は続く
流行語大賞の結果は、エンタメ界とスポーツ界がいかに言葉や文化の影響を競い合っているかを示している。今年の大賞「ふてほど」は、エンタメ界の強さを象徴するものだが、スポーツ界からの選出も多く、その影響力が衰えていないことを示している。
このような結果は、日本社会におけるエンタメとスポーツの役割の変化を反映している。エンタメは人々の日常に溶け込み、時代の流れを映し出す鏡となり、一方でスポーツは目標に向かう過程や努力、挑戦の美しさを伝えている。
大谷翔平の「50-50」が流行語大賞を逃したとはいえ、その影響力は揺るぎない。彼の偉業は、スポーツ界の未来を切り開く新たな道筋を示しており、次世代のアスリートたちにとっても大きな目標となることだろう。エンタメ界とスポーツ界の競争は、今後も続くが、その中で生まれる新しい言葉や文化は、私たちの社会をより豊かにしてくれるに違いない。
[田中 誠]