ダンツエラン、阪神ジュベナイルフィリーズでの新星誕生なるか?
阪神ジュベナイルフィリーズで輝くか?ダンツエランの挑戦
競馬ファンにとって、12月の風物詩とも言える「阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)」が迫ってきました。今年の注目馬の一頭は、勢いに乗る2歳牝馬、ダンツエランです。彼女の成長と挑戦を、まるで一本の映画のように追いかけてみましょう。
ダンツエラン、驚異の成長を見せる
ダンツエランは、まるでベテランのような落ち着きと完成度の高さで、2歳の若さを感じさせません。この馬の成長は、まさに「馬の背に風を感じる」という言葉がふさわしい。馬サブローの馬体診断でも、A評価を受けています。彼女の体つきは前後のバランスが取れ、トモの厚みもしっかりとしています。そのため、ファンタジーSでは不良馬場にも関わらず、しぶとい末脚で僅差の接戦を制しました。
ダンツエランの父は、スピードとスタミナを兼ね備えたロードカナロア。彼女の走法は、この血統らしい回転の速いピッチ走法で、距離適性はマイル以下がベストとされています。トラックマンの吉田順一氏も「鞍上の指示に従順で、馬場や脚質を問わない点は、今の2歳馬では心強い武器」と評価しています。
トレーニングで見せる成長の証
栗東トレセンでの調教では、ダンツエランは年上のメイショウオーロラを直線で3馬身引き離す圧巻の走りを見せました。これは、彼女の精神的な落ち着きとフィジカルの充実がもたらした結果でしょう。「普段は扱いやすく、調教時もうるさい面を見せません」と橋本助手も語るように、トレーニングメニューを順調に消化し、必要な負荷をかけた1週前追い切りでの時計も上々です。
橋本助手は「状態は前走以上」と胸を張り、荒れた馬場でも走れる自信を見せています。初戦は2番手追走から勝ち、2戦目は逃げて3着、前走は中団から差し切るなど、展開にも注文がつかない点は大きな武器となるでしょう。
阪神ジュベナイルフィリーズの舞台で輝けるか
ダンツエランの挑戦は、2019年のレシステンシア以来、史上4頭目のGⅢファンタジーS勝ち馬による阪神JF制覇を目指すという壮大なものです。今回の舞台は、デビュー戦でも走った京都競馬場の芝1600メートル。同じコースでの経験があることは、彼女にとって心強い材料です。
「賢くて自分の意志を持っている馬」と評価されるダンツエランは、競馬界に新たなスターを生み出す可能性を秘めています。彼女の意志と能力が、どのようにしてこの大舞台で発揮されるのか、ファンは固唾を飲んで見守ることでしょう。
競馬の世界では、1レースでの勝敗がその馬のキャリアや評価に大きな影響を与えることがあります。しかし、ダンツエランはまだ若く、これから様々な挑戦が待っています。今回の阪神JFは、その一つのステップに過ぎないのです。競馬ファンの皆さんも、彼女の成長を長い目で見守りつつ、応援していきましょう。
ダンツエランの旅路はまだ始まったばかりであり、その先にどのような栄光が待っているのか、誰にも分かりません。しかし、彼女の持つポテンシャルと成長力は、私たちに多くの期待を抱かせるに十分です。それはまるで、まだ見ぬ映画の続編が待ち遠しいようなものです。
[高橋 悠真]