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2024年12月03日 10時20分

東プレの「REALFORCE RT1」登場!テンキーパッドの新時代が始まる

東プレ、「REALFORCE RT1」テンキーパッドの新境地を切り開く

日本のキーボード界で名を馳せる東プレが、長年のファン待望の製品をついに市場に投入した。12月3日に発表された「REALFORCE RT1 Ten Keyboard」は、テンキーの概念を超えた多機能仕様で、静電容量無接点方式のキースイッチを搭載したUSBテンキーパッドである。価格は税込み1万3200円と、テンキーとしては高めの設定だが、それだけの価値がある製品だと多くのレビューで絶賛されている。

静電容量無接点方式の魅力と耐久性

このテンキーの大きな魅力は、やはりそのキースイッチにある。東プレ独自の静電容量無接点方式は、1億回以上の押下に耐え、まるでシルクのように滑らかな打鍵感を提供する。この特性は、長時間のデータ入力や数値の操作を行うユーザーにとって、指への負担を軽減し、作業効率を高める。特に、経理やデータ入力のプロフェッショナルにとっては、この耐久性と打鍵感は他に代え難いものだ。

全キープログラマブルという革新

「REALFORCE RT1」の大きな特長は、すべてのキーがプログラマブルであることだ。専用ユーティリティ「REALFORCE CONNECT」を利用することで、ユーザーはキー配置を自由に変更し、マクロやショートカットを設定できる。最大4種類のキーマップを本体に保存可能で、瞬時に切り替えることができるため、異なる用途に応じたカスタマイズが可能となっている。これにより、単なるテンキーとしてではなく、左手キーボードとしても活用できるようになり、クリエイティブな作業やゲーミングにも対応可能だ。

テンキーとしての役割を超えて

本機はその設計からして、テンキーとしての単純な役割を超えている。一般的なテンキーの枠に留まらないのは、追加されたEsc、Tab、Shift、Fnキーがその証拠だ。これらのキーは、数値入力の際にメインキーボードに戻る必要を減らし、効率的なデータ入力をサポートする。まるで、テンキーとキーボードのハイブリッドのような存在である。

さらに、アクチュエーションポイントチェンジャー(APC)機能も搭載されており、キー入力の感度を0.8mmから3.0mmまで0.1mm刻みで調整可能だ。この機能は、テンキーを超えた用途を模索するユーザーにとって、さらなるカスタマイズの可能性を広げる。

テンキー市場における位置付け

市場において、1万円を超えるテンキーは少数派だ。しかし、「REALFORCE RT1」は、ただのテンキーとしてではなく、高性能なプログラマブルキーボードとしての価値を提案している。この価格帯にも関わらず、すでに多くのファンから支持を得ているのは、REALFORCEブランドの信頼性と技術力によるものだ。

一般的なユーザーには少々敷居が高い製品かもしれないが、特定のニーズを持つユーザーにとっては、その価格に見合うだけの価値があるといえる。テンキーレスの高級キーボードユーザーや、ノートPCでプロフェッショナルな数値入力を求める方々にとって、この製品はまさに「これ以上ない選択肢」となるだろう。

さらなる進化が期待される

ただし、改善の余地も残っている。特に、直付けの有線ケーブルは、プログラマブルキーボードとしての自由度を制限する要因となっている。もし、これがBluetooth対応やケーブル脱着可能であれば、さらなる使用シナリオが広がるだろう。また、キーキャップのカスタマイズ性も向上させてほしいところ。すべて無地のキーキャップや、透明なキーキャップがあれば、さらに個性的なカスタマイズが可能になる。

とはいえ、現段階でも「REALFORCE RT1」は、その卓越したキータッチと自由度の高いカスタマイズ機能によって、テンキーの新たな可能性を示している。来年の確定申告が待ち遠しくなるようなテンキーがここにあるのだ。

[佐藤 健一]