経済
2024年12月04日 17時11分

トランプ再登場で暗号資産IPOの波?AI半導体市場でエヌビディアとTSMCが激戦!

トランプ政権と暗号資産:規制緩和がもたらす新たなIPOの波

ドナルド・トランプ氏の再登場は、まるで古い友人が久々に訪ねてきたようなものだが、今回は少し違う。次期米大統領としての彼の登場に伴い、暗号資産業界には新たな期待が沸き起こっている。トランプ政権は、規制を緩和し、暗号資産企業にIPO(新規公開株)の道を開く可能性があると報じられている。これが実現すれば、長らく慎重姿勢を崩さなかったSEC(証券取引委員会)の方針が転換するかもしれない。

トランプ氏は、親暗号資産派として知られるスコット・ベッセント氏を財務長官候補に指名している。ベッセント氏は、陰謀論者のような名前だが、その実績は確かで、ソロス・ファンド・マネジメントの最高投資責任者を務めた経験を持つ。彼の起用は、規制緩和の方向性を強調するものだろう。

さらに、トランプ氏はイーロン・マスク氏とヴィヴェク・ラマスワミ氏を新設される「政府効率化省」のトップに起用する意向を示している。この「DOGE省」という名前、どこかで聞いたことがありそうだが、どうやら政府機関の無駄を削減するための取り組みらしい。マスク氏とラマスワミ氏がどのように官僚主義を解体するのか、想像するだけでワクワクする。

一方で、SECのゲイリー・ゲンスラー委員長が退任することも話題だ。彼の後任者は、暗号資産の取り締まりを終了させ、資本形成の促進に焦点を当てる可能性が高いとされている。これにより、暗号資産企業の市場参入が加速するだろう。

AI半導体市場の激戦:エヌビディアとTSMCの影響力

一方で、AIブームが半導体市場を大きく変えつつある。エヌビディア、TSMC、SKハイニックスが市場を席巻し、明確な勝者となっている。AI半導体の世界シェアをほぼ独占するエヌビディアは、データセンター向けの半導体需要を背景に急成長を遂げている。

そのエヌビディアの成功を支えるのが、台湾のTSMCだ。TSMCは、先端プロセスでの製造能力を駆使し、エヌビディアのAI半導体を支える重要な役割を果たしている。さらに、CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)という高度なパッケージ技術を駆使し、競争優位性を確保している。

しかし、すべてが順風満帆というわけではない。インテルは、最先端の露光装置EUVを使いこなせず、AI半導体の製造において後れを取っている。このため、CEOのパット・ゲルシンガー氏が退任するという事態にまで発展してしまった。

これらの動きは、半導体業界の競争がいかに激化しているかを示している。エヌビディアやTSMCのような企業が先を行く中、インテルやサムスンは新たな戦略を模索する必要があるだろう。

暗号資産とAI半導体は、それぞれ異なる業界だが、どちらも規制と技術革新が鍵となっている。トランプ政権が規制を緩和し、暗号資産企業に新たな機会をもたらす一方で、AI半導体市場ではエヌビディアやTSMCのような先進企業が新たな基準を設定している。これらの動きは、未来のテクノロジーがどのように形作られるのかを示す一端だろう。やがて、これらの変化がどのように私たちの日常生活に影響を与えるのか、その答えはまだ見えていないが、確かなのは、変化が訪れるということだ。

[山本 菜々子]

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