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2024年12月06日 06時30分

NTTの未来通信革命:ひかり配線とオールフォトニクスの挑戦!

通信業界の未来を見据えたNTTの挑戦:ひかり配線とオールフォトニクスの革新

日本の通信業界において、NTT西日本が進める「ひかり配線方式」への移行と、NTT東西が手がける「All-Photonics Connect」の導入は、まさに未来への一歩と言えるでしょう。これらの取り組みは、単なる技術革新に留まらず、都市生活者や企業にとっての新たなインフラの形を提示しています。

銅線から光ファイバーへ、未来のインターネット環境を整える

NTT西日本が推進する「ひかり配線方式」への移行は、通信速度の桁違いの向上をもたらすものです。従来のVDSL/LAN方式では最大100Mbpsの速度しか実現できなかったのに対し、光ファイバーを用いることで最大1Gbps、さらにはエリアによっては10Gbpsもの速度が可能になります。これは、集合住宅におけるインターネット環境を劇的に変えるだけでなく、デジタルコンテンツの消費が増え続ける現代において、ユーザーの快適なネット体験を支える基盤となります。

過去数十年で、インターネットは私たちの生活のあらゆる側面を変えましたが、その根底には高速で安定した接続が必要です。特にパンデミック以降、リモートワークやオンライン教育の普及に伴い、インターネットはもはや贅沢品ではなく生活必需品となりました。NTT西日本が提供する工事無料化の施策は、こうした社会のニーズに応えるための一手であり、利用者にとってはまさに「現代の福音」かもしれません。

800Gbpsの夢、IOWNが切り拓く新時代

一方で、NTT東日本とNTT西日本が共同で提供を開始する「All-Photonics Connect」は、通信業界のイノベーションの最前線を行くプロジェクトです。800Gbpsという驚異的な速度は、従来の通信技術では考えられなかったレベルであり、データセンター間の通信や放送業界、さらに医療分野にも新たな可能性を与えます。

この技術の背後にあるIOWN構想は、光通信技術を用いて全世界の通信インフラを再定義するものであり、日本がその先駆けとなるのは大きな意義があります。光波長を専有することによる低遅延・高安定性の通信は、未来のスマートシティやIoT社会の実現に欠かせない要素であり、技術の進歩とともに私たちの生活を根本から変える可能性を秘めています。

通信キャリアの投資動向、未来への投資か足踏みか

こうした通信インフラの進化は、当然ながら莫大な投資を必要とします。2024年度上期の設備投資に関する各キャリアの動向を見ても、固定キャリアであるNTT東西の進捗が順調である一方、移動キャリア側の進捗が鈍いことが際立っています。特にNTTドコモの進捗率の低さは、投資計画の円滑な進行に課題があることを示唆しています。

キャリア各社の投資方針には様々な戦略が絡んでおり、特に楽天モバイルのように投資を抑制する動きも見られますが、これが全体の傾向ではないことは注意が必要です。むしろ、固定キャリアの積極的な投資は、未来の通信インフラを支えるための大切な布石であり、下期での盛り返しに期待がかかります。

[鈴木 美咲]

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