エンタメ
2024年12月06日 07時11分

大正ロマン映画『ゆきてかへらぬ』、キタニタツヤの主題歌「ユーモア」で中原中也をリスペクト!

大正時代の愛と青春を描く映画『ゆきてかへらぬ』、主題歌に込められた中原中也への敬意

キタニタツヤが手がけた新曲「ユーモア」は、中原中也の文学に対する深い愛とリスペクトを込めて制作されました。キタニにとっては、初の長編映画主題歌となるこの楽曲は、映画の雰囲気を見事に捉え、観客に新たな感動を提供します。

中原中也の詩に込められた「ユーモア」

中原中也は、短い生涯の中で多くの詩を残し、日本文学史に名を刻んだ詩人です。彼の詩には、人生の儚さや人間の深い感情が描かれており、その中にはしばしば「ユーモア」が隠されています。このユーモアは単なる笑いではなく、現実を別の視点で捉え、そこに安らぎを見出すための手段と言えるでしょう。

キタニタツヤは、この「ユーモア」を楽曲に取り入れ、中也の詩が持つ普遍的な感情を現代のリスナーに届けようとしています。また、彼はコメントで「人は永遠ではないが、言葉は永遠になり得る」と述べ、言葉が持つ力についても考察を深めています。中也の詩が今もなお多くの人に影響を与えていることを考えると、キタニの楽曲もまた、時代を超えて心に残る作品になることでしょう。

映画『ゆきてかへらぬ』が描く愛の形

『ゆきてかへらぬ』のストーリーは、長谷川泰子、中原中也、小林秀雄という3人の実在の人物の複雑な関係を中心に展開します。彼らの間に生まれる愛は、単なるロマンチックなものではなく、時に激しく、切ないものです。彼らの関係は、まるでダンスフロアで目線が交わらないまま踊る3人のように、歪でありながらも美しい瞬間が存在します。

この映画の脚本は、40年以上前に田中陽造によって書かれ、多くの監督たちが映画化を望んだと言われています。今回、根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンを取り、映画化が実現しました。大正時代の文化的な背景と、それによってもたらされる人間関係の複雑さが、観る者に強い印象を与えることでしょう。

主題歌「ユーモア」に込められたメッセージ

キタニタツヤが作り上げた「ユーモア」は、映画の余韻を引き継ぎつつも、新たな世界観を提示する一曲です。この楽曲について、主演の広瀬すずは「主題歌が始まった瞬間は映画の余韻が残りつつ、後半は違う世界観でちょっと面白いバランス感の楽曲で素敵だなと思いました」とコメントしています。また、木戸大聖は「ずっと聴いていられる、何回もリピートして聴いていられるような素敵な曲でした」と、その魅力を語っています。

映画の内容とリンクしつつも、新たな解釈を加えたこの楽曲は、観客にとって映画を観た後の楽しみをさらに広げてくれることでしょう。中也の詩が持つユーモアと同様に、キタニの「ユーモア」もまた、聴く人に新たな視点を提供し続けることでしょう。

映画『ゆきてかへらぬ』は、歴史的な背景と現代的な感性が交差する作品です。キタニタツヤの主題歌「ユーモア」がその世界をどのように彩るのか、公開が待ち遠しい限りです。観客は、映画を通じて大正時代の文化と人間ドラマに触れ、キタニの音楽を通じて中原中也の詩の深さを味わうことができるでしょう。

[中村 翔平]

タグ
#ゆきてかへらぬ
#キタニタツヤ
#中原中也