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2024年12月10日 22時30分

韓国政治の激震!尹錫悦大統領を巡る弾劾と戒厳令の行方

韓国政治の激震:尹錫悦大統領を巡る弾劾と戒厳令の影響

尹錫悦大統領の早期退陣計画:背景と狙い

与党「国民の力」は、尹錫悦大統領の退陣を来年2月か3月に予定し、4月か5月に大統領選を行う案を検討している。この動きは、尹氏に対する弾劾が再び議題に上がっていることを背景にしている。過去の韓国政治において、弾劾は保守陣営に深刻なダメージを与えてきた。朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾はその典型例であり、その痛みを繰り返すことを避けるための策として、与党は早期退陣を考慮している。

しかし、この計画にはまだ多くの不確定要素がある。尹氏に近い議員たちはこの計画に反発しており、党内の意見が一致するかどうかは不透明だ。さらに、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が公職選挙法違反で被選挙権を失うかどうかも、今後の選挙戦略に影響を与える。

戒厳令と議会混乱:尹錫悦大統領の強硬策

尹錫悦大統領は、緊迫する政治状況の中で「非常戒厳」を宣布し、議会での混乱を招いた。戒厳令は、憲法上の非常措置として国会の干渉を排除する意図があったとされる。尹氏は、議会が戒厳令の解除を決議できないよう、議員を力ずくで排除する指示を出した。これにより、国会内は一時的に混乱状態に陥り、戒厳令解除の決議はついに可決された。

この強硬策は、尹氏に対する批判を一層強めた。国会での戒厳令解除要求決議が可決されたことで、尹氏の政治的立場はますます危うくなっている。現在、尹氏は内乱罪の首謀者として捜査の対象となっており、現職大統領に対する初の強制捜査が行われる可能性もある。

捜査の行方と韓国政治の未来

今回の戒厳令に関与した金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相は逮捕され、尹錫悦大統領も捜査の対象となっている。内乱罪の例外を除いて大統領には不訴追特権があるが、今回の事態はその例外にあたる可能性がある。国会は「常設特別検察」による独立調査を求める法案を可決し、捜査機関は尹氏の関与を徹底的に調べる構えだ。

韓国の政治は、しばしば劇的な展開を見せてきた。尹氏の退陣計画と戒厳令を巡る混乱は、その最新章と言えるだろう。この状況がどのように収束するのか、韓国国民は固唾を飲んで見守っている。政治の舞台が次にどのような幕を開けるのか、その答えはまだ霧の中だ。

[伊藤 彩花]

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