アスレティック・ビルバオ、バスクダービーでソシエダを下す:久保建英の活躍を阻む
アスレティック・ビルバオ、バスクダービーで勝利:久保建英を擁するソシエダの連勝に終止符
11月24日、ラ・リーガ第14節で行われたバスクダービーは、アスレティック・ビルバオが1-0でレアル・ソシエダを下し、ホームでの貴重な勝利を収めた。この試合は、バスク地方を代表する両雄が競り合う伝統的な一戦。試合前の期待感は高く、特にソシエダの日本代表MF久保建英に対する注目が集まっていた。
この試合の主役となったのは、アスレティックのオイハン・サンセト。彼は26分にニコ・ウィリアムズからのクロスをヘディングで合わせ、唯一の得点を記録した。結果として、アスレティックは4試合ぶりに勝利を手にし、リーグ戦での順位を5位に浮上させることに成功した。
一方、レアル・ソシエダは試合前の勢いを持続できず、連勝を2でストップさせる結果に終わった。久保建英は右ウイングでスタメン出場し、60分までプレーしたが、攻撃のカギを握る役割を果たしながらもゴールには結びつかなかった。
緊迫のバスクダービー、戦術と選手の交代が鍵に
試合は序盤から激しい攻防が繰り広げられ、両チームの速いトランジションが目立った。アスレティックは、堅実な守備と素早いカウンターでソシエダを苦しめ、特にニコ・ウィリアムズのパフォーマンスが光った。彼はサイドを駆け上がり、サンセトへの決定的なクロスを供給するなど、攻撃の要となった。
ソシエダはボール保持に優れ、攻撃の組み立てを試みるも、アスレティックの組織されたプレスに阻まれ続けた。久保は右サイドで存在感を示し、ボール奪取から攻撃を仕掛ける場面も見られたが、決定的なチャンスを生み出すことはできなかった。特に前半のシュートが味方に阻まれた場面は、ソシエダの攻撃が噛み合わなかった象徴と言える。
後半に入り、イマノル・アルグアシル監督は60分に久保とバレネチェアをベンチに下げ、ベッカーとブライス・メンデスを投入する決断を下した。この交代策はスペイン国内でも議論を呼び、『モビスタール・プルス』の解説者や『マルカ』紙がその意図を疑問視する声を上げた。久保が良いプレーを続けていたことから、フィジカル的な理由や戦術的な意図があったのかもしれないが、交代後もソシエダはアスレティックの堅い守備を崩せず、得点を奪うことができなかった。
今後の展望とバスクダービーの意義
今回のバスクダービーは、両チームにとって重要な試合であった。アスレティックはこの勝利で勢いを取り戻し、今後のリーグ戦に向けて弾みをつけた。一方、ソシエダはこの敗戦を糧に、次節のベティス戦での巻き返しを図る必要がある。
バスクダービーは、地域の誇りをかけた一戦であり、両チームのサポーターにとって特別な意味を持つ。今回の試合では、アスレティックのホーム『サン・マメス』での勝利が、地元ファンにとって大きな喜びとなった。これにより、アスレティックはリーグ戦での順位を浮上させ、欧州大会出場圏内を視野に入れることができる。
一方で、ソシエダは久保を中心に攻撃を再構築する必要がある。彼のプレーがチームの攻撃において重要な役割を果たすことは明らかであり、次の試合での復調が期待される。久保自身も、自身のプレーをより一層高めることで、チームの勝利に貢献したいと考えているだろう。
両チームは次節、アスレティックがラージョ・バジェカーノと、ソシエダがベティスと対戦を控えており、再び勝ち点を積み上げることができるかが注目される。バスクダービーの熱気を胸に、両チームがいかなる戦いを繰り広げるのか、今後の展開に期待が高まる。
[田中 誠]