スポーツ
2024年12月13日 06時30分

新庄剛志監督が描く未来図:札幌ドーム2軍化構想の衝撃

日本ハム新庄監督、“札幌ドーム2軍化”構想で描く未来図

日本ハムファイターズの新庄剛志監督(52)が、札幌ドームを2軍の新拠点として活用するという大胆な提案を打ち出しました。彼の考えに基づくこの構想は、単なる設備の移転に留まらず、チームの戦略や運営の効率性を大きく向上させる可能性を秘めています。新庄監督が見据える未来とはどのようなものでしょうか。

札幌ドームの過去と未来:新たな役割の可能性

かつて日本ハムの本拠地だった札幌ドーム(現・大和ハウスプレミストドーム)は、2023年度で札幌市との契約を終了し、今後は日本ハムの試合が行われないことが決定しています。しかし、新庄監督はこの施設を2軍の拠点として再活用することを提唱しています。

この提案の背景には、現在の2軍拠点である鎌ケ谷スタジアムの老朽化があります。1997年に開業した同スタジアムは、既に20年以上が経過し、改修が必要とされる段階に来ています。そこで、札幌ドームを2軍の新たなホームグラウンドとすることで、施設の刷新とチーム運営の効率化を一挙に図ろうというのが新庄監督の狙いです。

“親子ゲーム”の可能性と選手起用の柔軟性

新庄監督が提案する札幌ドームの2軍化には、具体的なメリットがいくつもあります。まず1つ目は、1軍と2軍の距離が大幅に近くなることです。現在、北海道北広島市にあるエスコンフィールドと千葉県鎌ケ谷市との間には、物理的な距離があり、選手の昇格や降格に時間がかかるのが現状です。しかし、札幌ドームが2軍の拠点となれば、エスコンフィールドから車でわずか30分ほどの距離に1軍と2軍の施設が集約されることになります。

この距離の近さは、選手の起用に柔軟性をもたらします。例えば、1軍の選手が調子を崩した際に、2軍戦で調子を整える機会をすぐに提供できる“親子ゲーム”が可能になります。オリックスの頓宮選手が実践したように、2軍戦で試合勘を取り戻し、その日のうちに1軍戦で結果を出すというシナリオが現実のものとなるでしょう。

設備の課題とウインウインの関係

もちろん、札幌ドームの2軍化には課題もあります。人工芝の硬さや使用料といった問題が挙げられます。新庄監督は、札幌ドームの地面を選手に優しい芝に改修することを提案しており、その費用が鎌ケ谷スタジアムの改修費と同等ならば検討に値すると述べています。

さらに、札幌ドームを2軍の拠点とすることで、ドーム自体の利用価値も高まり、営業面でもメリットが生じると新庄監督は考えています。こうした関係は、まさに「ウインウイン」の状況を生み出す可能性を秘めています。

新庄監督のビジョンとチームの未来

新庄監督は、「采配するだけが僕の仕事じゃない」と語り、チーム全体の未来を見据えた提案を行っています。彼のビジョンは、単に試合の勝敗にとどまらず、より広範囲にわたるチームの成長や発展にまで及んでいます。今回の札幌ドーム2軍化構想も、その一環として捉えることができるでしょう。

この提案が実現すれば、北海道内の新たなスポーツ文化の創出に貢献することにもなります。2軍の試合が札幌ドームで行われることで、地域住民がプロ野球に触れる機会が増え、ファン層の拡大や地域活性化に繋がる可能性もあります。

[佐藤 健一]

タグ
#プロ野球
#新庄監督
#札幌ドーム