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2024年12月15日 06時40分

韓国で尹錫悦大統領の弾劾可決!政治の嵐が再び

韓国政治の嵐、尹錫悦大統領の弾劾がもたらす波紋

14日、韓国国会は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案を可決し、政治の舞台に新たな幕が下ろされた。尹氏の「非常戒厳」宣言が憲法違反であるとして、野党が提出したこの弾劾案は、与党「国民の力」の一部からも支持を得て成立した。これにより、尹氏は職務停止となり、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が暫定的に大統領の職務を代行することになる。

この動きは、韓国の政治史においては3度目の大統領弾劾となり、2016年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領に続くものだ。尹氏は国民向けに「決して諦めない」とする談話を発表し、憲法裁判所での争いを示唆した。180日以内に罷免が決まるかどうかが焦点となる中、韓国の政治は再び嵐の中にある。

政治的分断とその影響

韓国の政治は、保守派と革新派の対立が根強く、今回の弾劾劇もその一端を示している。与党内からも造反者が出ていることから、尹氏の政権基盤が揺らいでいることは明らかだ。韓国の政治的分断は、経済や外交にまで影響を及ぼす可能性があり、特に日本との関係においてはその影響が顕著に表れるだろう。

尹大統領は親日家として知られ、彼の就任以来、日韓関係は改善の兆しを見せていた。しかし、尹氏の弾劾が日韓関係に与える影響は計り知れない。次期大統領候補として有力視されている李在明(イ・ジェミョン)氏は、過去に過激な反日発言をしており、彼が大統領に就任すれば、日韓関係は再び険しい道を歩むことになるかもしれない。

金建希夫人への捜査の行方

尹氏の弾劾により、彼の妻である金建希(キム・ゴンヒ)夫人もまた、厳しい状況に立たされている。これまで尹大統領が拒否権を行使し続けてきた「金建希女史特検法」が、彼の職務停止によって実行に移される可能性が高まっている。特別検事が任命されれば、金夫人に対する株価操作や賄賂授受といった疑惑の捜査が進むだろう。

日本の対応と今後の展望

このような韓国の政治的混乱は、日本にとっても無関係ではない。中谷防衛相は、韓国との緊密な意思疎通を維持することの重要性を強調し、特に安全保障面での連携の必要性を訴えている。日韓関係は、歴史的な問題や地域の安全保障環境の変化によって、常に揺れ動くものであるが、今回の弾劾がその一つの転機となる可能性がある。

韓国の政治的嵐がどこへ向かうのかは、今後の国際情勢にも影響を与える可能性があり、私たちはその動向を注意深く見守る必要がある。韓国がどのような道を選び取るのか、その行方は日本を含む国際社会にとっても重要な関心事である。

[高橋 悠真]

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