河合優実の新たな挑戦!「ナミビアの砂漠」でFIPRESCI賞受賞
河合優実の一歩踏み出す年:シンプルさと大胆さが交錯する2024年
河合はこの作品について「数ある仕事と同列には語れない特別なもの」と語る。その背景には、彼女自身のユニークなスカウトエピソードがある。SNSでの特定がきっかけでスカウトされ、自主制作映画に出演した経験が彼女のキャリアの始まりとなった。自身の経験を振り返り、「始まりの場所ですね」と語る彼女の言葉には、映画への深い愛情と感謝がにじみ出ている。
「ふてほど」で飛躍した一年
河合は、TBS系ドラマ「不適切にもほどがある!」で演じた昭和のヤンキー少女役でその名を広く知られるようになった。この役が「ふてほど」として流行語に選ばれ、Yahoo!検索大賞の俳優部門でも1位を獲得するなど、彼女の存在感は一気に広がった。これにより、映画「あんのこと」もより多くの人々に見られることになり、河合は「タイミングに感謝」と述べた。
2024年を迎えるにあたって、彼女は「余計なものを振り払ってシンプルに、大胆に軽やかに過ごしたい」と抱負を語った。これは、彼女のキャリアにおける新たな方向性を示唆している。まるで、彼女自身が新しいスタートを切るために、心の整理整頓をしているかのようだ。
「ナミビアの砂漠」での新たな挑戦
河合の挑戦は続く。東京で開催された「カンヌ監督週間 in Tokio 2024」では、彼女が主演した「ナミビアの砂漠」がFIPRESCI賞を受賞した。監督の山中瑶子が最年少でこの賞を受賞したことも話題を呼んだ。映画は交際相手の変化を通じて乾いた心を描く青春ドラマであり、河合の演技がその核心を捉えている。彼女は受賞の知らせを聞いて「跳び上がるくらいの喜びだった」と述べ、映画の完成時に「映画に羽根が生えていくような予感があった」と振り返った。
この映画の制作過程では、山中監督との深い対話が重要な役割を果たした。河合は「山中監督と現代に生きる私たちの共通する問題を多く語り合った」と述べており、こうした交流が彼女の演技に自然な深みを与えたようだ。
若い才能との共演:山村浩二の新作
一方、アニメーション監督の山村浩二が手がけた「とても短い」もカンヌ国際映画祭の監督週間に選出されている。この作品は、東京を舞台に言葉と身体が融合するユニークなアート作品であり、河合とは異なる形で日本の映画業界の可能性を広げている。山村は「若い才能の中で作品を発表できて嬉しかった」と語り、独特のグラフィックと日本語の使用に自信を示した。
このように、河合優実は多岐にわたるプロジェクトで存在感を増している。彼女の挑戦は続き、彼女自身もまた新たなスタートを切ろうとしている。大胆に、そして軽やかに進む彼女の姿は、まるで風に乗って舞い上がる羽根のようだ。来年の彼女の活躍がどのような形で展開するのか、期待が高まる。
[佐藤 健一]