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2024年12月17日 06時20分

MetaとAppleのVR戦争がヒートアップ:Quest 3対Vision Pro

VR戦争の新たな局面:MetaとAppleの競争が加速

テクノロジーの世界では、まるでドラマのような競争が展開されています。MetaとAppleがVR(仮想現実)市場での覇権を争う中、最新のアップデートでMeta Quest 3はApple Vision Proにますます近づいています。驚くべきことに、Meta Quest 3はその価格の安さを武器に、機能面でもAppleの高級機種に迫る勢いです。

アップデートの裏にある戦略

Metaの最新アップデートv72では、Windows 11 PCとの新しいペアリング方法が追加されました。これにより、Quest 3とQuest 3Sユーザーは、Microsoft Storeからダウンロードした「Mixed Reality Link」アプリを通じて、PCを簡単にVRに接続できるようになります。これまで別途購入が必要だった「Virtual Desktop」アプリを経由せずに、直接PCとの連携が可能になるというのは、ユーザーにとって大きなメリットです。

Appleの「visionOS2」が広角および超広角のMacBookスクリーンに対応しているのに対し、Metaはまだその点で遅れを取っています。しかし、Metaは次々と新機能を投入することで、この差を埋めようとしています。例えば、ハンドトラッキングの強化もその一環です。Appleの空間コンピューティングは多くのセンサーとカメラを駆使して正確なトラッキングを実現していますが、Metaはソフトウェアの力で追いつこうとしています。

ユーザー体験の進化

Metaは、Questを使ったPC作業をもっと簡単にするために、新しいキーボード検出機能も導入しました。これにより、近くのキーボードを自動的に認識し、サードパーティー製のキーボードとのペアリングが容易になりました。これは、まるで魔法の杖を振るだけで物事が動き出すような感覚をユーザーに提供します。

一方、Appleはコントローラーをサポートしていないため、手や目のトラッキングに依存していますが、Bloombergの報道によれば、AppleもPlayStation VR2のコントローラーやその他のデバイスとの連携を模索中です。これは、VR体験をより直感的に、そして楽しくするための重要なステップとなるでしょう。

価格と価値のジレンマ

Meta Quest 3の価格は300ドルからと、Apple Vision Proの7分の1にすぎません。これにより、Metaは多くのユーザーが手に取りやすい選択肢として市場に訴求しています。特に、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって、MetaのVRヘッドセットは非常に魅力的です。

それに対し、Appleは高級感と洗練されたデザインでプレミアム市場を狙っています。この違いは、まさに「高級車」と「日常使いの車」のようなもので、どちらを選ぶかはユーザーのライフスタイルやニーズ次第といえるでしょう。

AI時代の新たな波:MicrosoftとGoogleの動き

一方で、AIの分野でも大きな動きが見られます。Microsoftは、AMDやIntelのCPUを搭載したCopilot+ PC向けに「Recall」機能を提供開始しました。この機能は、PCのアクティブな画面をスナップショットとして記録し、ユーザーが過去の操作を簡単に振り返ることを可能にします。

AIの進化は、ユーザー体験の向上だけでなく、ビジネスの効率化や新たなクリエイティブの可能性をもたらしています。例えば、Googleの「Project Astra」は、マルチモーダル理解を実現し、複数言語での会話を可能にしています。これにより、グローバルなコミュニケーションが一層円滑になるでしょう。

一方、OpenAIが発表した動画生成AI「Sora」は、テキストプロンプトを基にリアルな動画を生成することができます。これは、まるで映画監督になる夢を叶えるかのように、ユーザーが自分の物語を映像化する手助けをします。

このように、VRとAIという異なる分野が、それぞれの進化を遂げながら私たちの生活を豊かにしています。どちらの技術も、日々の体験をより面白く、そして便利にしてくれるものとして、これからも目が離せません。

[鈴木 美咲]

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