国際
2024年12月17日 06時30分

トランプ氏の外交戦略、ハマス警告とロシア・ウクライナ停戦に意欲

トランプ氏、外交舞台で新たな挑戦

アメリカ第45代大統領を目前に控えるドナルド・トランプ氏は、国際情勢を揺るがす複数の問題に対して独自のアプローチを打ち出している。16日の記者会見で、彼は中東から東ヨーロッパに至るまで、複雑に絡み合った地政学的問題に対する意見を述べた。関心を集めたのは、ハマスに対する厳しい警告、ロシア・ウクライナ停戦への意欲、そしてシリア情勢におけるトルコの重要性である。

ハマスに対する「地獄」の警告

トランプ氏の矛先はまず、イスラム組織ハマスに向けられた。彼は、パレスチナ自治区ガザで拘束されているアメリカ人を含む人質の解放を求め、もし自身の就任日である来年1月20日までに解放されなければ、ハマスに「地獄」が訪れると警告した。これは言葉通りの意味ではないにしろ、彼の発言の重みは明白だ。トランプ氏は「愉快なことにはならないだろう」と述べ、イスラエルとの停戦合意が成立しなければ、状況はさらに悪化する可能性があると示唆した。

この発言は、中東におけるアメリカの外交政策が新たな局面を迎えることを予感させる。トランプ氏は、選挙期間中からイスラエルに対する強い支持を示しており、就任後もその姿勢を貫く意向であることがうかがえる。これにより、今後の中東情勢は一層混迷を深める可能性がある。

ロシア・ウクライナ停戦への意欲

一方で、トランプ氏はロシアのウクライナ侵攻を「第2次大戦以来、世界が目撃した最悪の殺りくだ」と位置付け、早期収拾に向けた意欲を示した。彼はロシアのプーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と停戦に向けた協議を行う意向を表明。「停戦のためにベストを尽くしている」と述べたが、具体的な時期については明言を避けた。

この発言は、トランプ氏がアメリカの影響力を駆使して国際紛争を調停しようとする意図を示している。彼の外交政策は、対話と圧力を組み合わせたアプローチを採用する可能性が高い。このような方法が実際に成果を上げるかどうかは、彼のリーダーシップと交渉力にかかっている。

シリア情勢で「トルコが鍵を握る」

シリア情勢に関しては、トランプ氏はトルコの重要性を強調した。アサド政権が崩壊した後のシリアにおいて、トルコが「鍵を握る」との見解を示し、トルコの軍事力が戦争で疲弊していないことを強調した。トルコのエルドアン大統領との良好な関係を築いたとし、トルコの役割を高く評価した。

[松本 亮太]

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