国際
2024年12月18日 14時21分

韓国戒厳令解除と禹議長のリーダーシップが示す民主主義の力

韓国戒厳令の影響と新たなリーダーシップの台頭

禹議長は、戒厳令が発令されたその夜、国会周辺に立ちはだかる警察官を避け、フェンスを乗り越えて議場へと向かいました。彼のこの行動は、まるで戦場を駆け抜ける勇士のようでした。彼は国会で戒厳令の解除要求決議を可決させ、結果として尹大統領は戒厳令を解除することを余儀なくされました。この一連の出来事は、韓国の民主主義がいかにして守られたかを象徴しています。

禹議長の信頼度は、韓国ギャラップによる世論調査で、次期大統領候補と目される李在明氏を上回り、56%の支持を得てトップに躍り出ました。彼は、国会職員や議員秘書たちが特殊部隊の侵入を阻止するためにバリケードを築き、一致団結して民主主義を守ったことに対し、感謝の意を表しました。彼の「国会が国民と共に民主主義を守る」という言葉は、多くの韓国国民に希望を与えました。

国際的な波紋と韓国の政治的ダメージ

戒厳令の余波は、韓国内に留まらず国際的な関係にも影響を与えました。韓国の趙兌烈外相は、戒厳令が米国のトランプ次期大統領との意思疎通に支障をきたしたと指摘しました。韓国と米国は、これまで強固なネットワークを築いてきましたが、今回の戒厳令は双方の政治的勢いを損ね、コミュニケーションにも制約をもたらしました。戒厳令の余波が、両国の将来の関係にどのような影響を及ぼすのか、注視が必要です。

揺れる韓国軍と士気の低下

戒厳令を主導した人物たちの大半が陸軍士官学校出身であることが明らかになり、韓国軍内部では士気の低下が見られます。彼らは、尹大統領に戒厳令を進言したとされるキム・ヨンヒョン国防相をはじめ、重要な役割を担った人物たちです。国会に召喚された幹部たちが叱責される様子は、現役の若手将校たちにとって衝撃的な出来事でした。彼らは、自分たちが敬意を抱いてきた人物たちが辱めを受ける姿に失望し、同じ軍人として恥ずかしい気持ちになったと語っています。

一部の若手将校は、「上官命令は絶対か?」という問いかけに直面しています。彼らは、上官の命令を即座に拒否することは現実的に難しいと感じており、どれだけの人が『これは違法だ』と言えるか疑問を抱いています。このような状況は、韓国軍内部の士気を低下させ、将来の軍事組織におけるリーダーシップのあり方を再考させる契機となるでしょう。

[中村 翔平]

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