日産「ノート・オーラ・オーテック・スポーツスペック」が登場、走る喜びを再定義
日産の新たな挑戦、「ノート・オーラ・オーテック・スポーツスペック」が登場
日産が誇るコンパクトカー「ノート・オーラ」に、また新たな風が吹き込まれた。日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手がける「オーテック・スポーツスペック」は、その名の通り、上質さとスポーティさを兼ね備えた特別な一台だ。この試乗レポートでは、その魅力と背景に迫る。
ノート・オーラは、日産のプレミアムコンパクトとして2020年に登場し、以来、日本市場での支持を集め続けている。オーテック・スポーツスペックは、オーラの高性能バージョンとして、まさに「小さな高級車」と呼ぶにふさわしい存在感を放っている。
オーテックとニスモの共演
NMCは、日産のモータースポーツの歴史を背景に1984年に創立されたNISMOと、クラフトマンシップを受け継ぐ1986年創立のAUTECHの二つが合わさったブランドだ。ニスモが「速さと高揚感」を追求するのに対し、オーテックは「上質さと爽快感」を目指している。この二つの異なるアプローチは、ノート・オーラのモデルラインアップにおいても明確に分かれており、顧客の多様なニーズに応えている。
オーテック・スポーツスペックは、ニスモと同様の加速感を持ちながらも、乗り心地と安定性を重視した設定が特徴だ。これは、日産の追浜テストコースでの開発ドライバーの粘り強い努力の賜物であり、まさに「走る喜び」を感じさせる一台に仕上がっている。
外観と内装のプレミアム感
オーテック・スポーツスペックの外観は、オーテックブランド特有のドットパターンのフロントグリルを採用し、ブルーのアクセントが湘南の海を彷彿とさせるデザインだ。ブラックのルーフは「ダイヤモンドブラック」と呼ばれる特別仕様で、目の肥えた車ファンを唸らせる。大型スポイラーも装備されているが、あくまで上品に仕上がっているのがポイントだ。
内装は、プレミアムコンパクトカーとしての地位を確立してきたオーラの特性を活かし、素材や色使いにこだわりが感じられる。専用の本革シートや17インチアルミホイールが装備され、まさに「走りの小さな高級車」としての風格を備えている。
走行性能と技術の融合
オーテック・スポーツスペックの走行性能は、e-POWERシステムの特性を最大限に活かしたものとなっている。エコ、ノーマル、スポーツの3モードが用意され、それぞれのモードで異なる走行感を提供。エコモードでも通常の車よりも速く感じるように設定されており、ノーマルモードでさらに加速感が増し、スポーツモードでは一層鋭いレスポンスを楽しめる。
特筆すべきは、ヤマハのパフォーマンスダンパーを採用している点だ。これにより、微振動を抑制し、より上質な乗り心地を提供する。このような技術の投入により、オーテック・スポーツスペックは単なるカスタムカーを超えた存在となっている。
日産の未来を見据えて
日産は、国内市場でのEVシフトを積極的に進めているが、その一方で内燃機関の魅力を忘れてはならない。オーテック・スポーツスペックの登場は、日産の技術力を再び証明するものであり、国内の熱心なファンに対する一つの回答でもある。
「技術の日産、走りの日産」の復活を待ち望むファンにとって、オーテック・スポーツスペックはまさにその象徴だ。日産は、未来のモビリティを見据えつつ、内燃機関の可能性も追求することで、多様なニーズに応え続けるだろう。これからも、日産の新たな挑戦に期待したい。
やっちゃえNISSAN!という言葉が、再び活気に満ちた日産を象徴するものとして、心に響く。ファンの期待を背負い、日産は確実に前進している。
[中村 翔平]