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2024年12月22日 16時10分

トイザらスの「夢を守る」戦略とセガフェイブの挑戦が話題に

トイザらスの「夢を守る」戦略と新たな挑戦

トイザらスのeコマース部デジタルオペレーション課マネージャー・河野明彦さんによれば、このアイディアは数年前のクリスマスに寄せられた顧客の声がきっかけだったと言います。「お子様の夢を守るためのお客様の努力に少しでもお役に立てるなら」と、無地の段ボールが採用され、それが今では通年のスタンダードになっています。

この取り組みは、ただの段ボール変更にとどまりません。無地ではそっけないとの声から、3号サイズの段ボールには宝箱デザインが施され、トイザらスの「R」のロゴが鍵の絵として描かれています。これにより、子どもたちのワクワク感を演出しつつ、親の願いも叶える形に仕上がっています。

このような細部へのこだわりが、トイザらスの顧客満足度を高める要因の一つでしょう。また、段ボールには配達ドライバーへのメッセージも添えられており、配達の質にも配慮しています。こうした心遣いが、顧客と企業の距離を縮める一助となっているのです。

平成リバイバル玩具「ePICO」が示す未来の可能性

一方で、玩具業界ではセガフェイブが発売した幼児向け体験型デバイス「ePICO」が人気を集めています。「平成リバイバル」ブームの中で、1993年に発売された知育玩具の後継機として、親世代には懐かしさを、子どもには新鮮な体験を提供しています。

「ePICO」は知能の多様性に関する理論を活用し、子どもの遊びを分析する機能を備えています。これにより、親は子どもの知的好奇心や創造性がどのように発展しているかを把握できます。専門家監修の100種類以上の体験を通して、地域や家庭環境の違いによる「子どもの体験格差」を埋めることを目指しています。

集客面でも、トイザらスやヤマダデンキなど全国148店舗に試遊機を設置し、「夢中発見機」として子どもたちの体験を促進しています。さらに、ウェブCMにはさかなクンを起用し、オンラインマーケティングにも注力しています。これらの施策は、玩具業界での競争が激化する中で、強い差別化要因となっています。

トイザらスのデジタル進化と未来への挑戦

また、トイザらスはオンラインストアのリニューアルを記念して、20倍ポイントキャンペーンを実施中です。スマートフォンからの買い物に適したデザインと操作性を強化し、現代のショッピングスタイルに合わせた改革を進めています。この動きは、デジタル時代における顧客体験の向上を目指したものであり、今後の成長戦略において重要な一歩といえるでしょう。

このように、トイザらスとセガフェイブが示すのは、顧客の声に耳を傾け、時代の流れを敏感に捉えた商品開発とサービス提供の重要性です。親子に寄り添う姿勢を持ちながらも、未来を見据えたイノベーションを続ける彼らの挑戦は、玩具業界全体に新たな可能性を提示しているのです。

[伊藤 彩花]

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