スポーツ
2024年12月23日 17時10分

角田裕毅の未来は?レッドブルF1での挑戦と試練の行方

角田裕毅のF1挑戦、岐路に立つ――レッドブルでの未来はあるのか?

角田裕毅とレッドブルの関係、終焉の予兆

角田のこれまでの成績は決して悪くはない。2024年シーズンではドライバーズランキング12位に入り、30ポイントを獲得するなど、確かな成長を示してきた。しかし、レッドブルはその評価の視点を、オーストラリア人ドライバーのリアム・ローソンに向けた。ローソンは2023年、負傷したダニエル・リカルドの代役として5戦に出場し、その後2024年シーズン終盤の6戦に参戦した。成績では角田を上回ることはなかったが、レッドブルは彼の精神力と今後の成長可能性を評価し、レギュラーシートを与えた。

この決定は、多くの専門家やファンから疑問の声が上がっている。ドイツのモータースポーツ専門誌『MOTORSPORT Magazine』は、角田が本当のチャンスを一度も与えられなかったと指摘し、これが彼に対する侮辱ではないかと議論を巻き起こしている。

角田の今後の選択肢と試練

レッドブルとの関係が薄れつつある中、角田の今後のキャリアはどうなるのか。考えられるシナリオは複数あるが、どれも容易ではない。ひとつは、RBでの成績を積み上げ続け、再びレッドブルの目を引くこと。これは、彼がローソンをパフォーマンスで凌駕し続けることが前提だが、既にレッドブルがローソンに目を向けている現状では、その道は狭い。クリスチャン・ホーナー代表が述べたように、角田が「レッドブルに昇格する価値がある」ことを証明し続けることが求められる。

また、ホンダとのパートナーシップが2026年からアストンマーティンに移行することも、角田の選択肢に影響を与える。ホンダが関与するチームでのシート獲得も一つの道だが、既にアロンソとランス・ストロールの起用が確定しており、こちらも簡単な道ではない。

F1界の厳しい現実と角田の挑戦

F1は才能だけでなく、タイミングと運も必要とされる世界だ。角田のこれまでの成績はその才能を示しているが、チームの方針や他のドライバーの台頭といった外的要因が彼のキャリアに影響を及ぼしている。特に、レッドブルが求める精神力やチーム内での役割において、彼がどのように適応していくかが今後を左右する。

角田裕毅はまだ24歳。若くしてF1の舞台で活躍してきた彼には、今後も挑戦する機会が訪れることを願うばかりである。彼の今後の活躍に期待と不安が交錯するが、どんな状況にあっても、彼のレーシングスピリットが失われることはないだろう。

[伊藤 彩花]

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