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2024年12月23日 21時20分

ブレイク・ライブリーが告発、ハリウッドの闇に光

ブレイク・ライブリーの告発が浮き彫りにするハリウッドの闇

ブレイク・ライブリーが主演した映画『ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US』を巡る騒動は、単なるセクハラ問題を越え、ハリウッドの職場文化や映画制作現場の透明性に新たな光を当てる出来事となっています。ライブリーが監督兼共演者のジャスティン・バルドーニを訴えた背景には、業界全体が抱える構造的な問題が潜んでいる可能性があります。

訴状に現れた職場環境の問題

ブレイク・ライブリーは、バルドーニが脚本にはない性的シーンを追加し、インティマシーコーディネーターの不在を問題視しました。このような行動は、映画制作の現場での権力関係がいかに歪んでいるかを示しています。インティマシーコーディネーターは、特に身体的な接触が伴うシーンにおいて俳優の安全を確保するために必要不可欠な存在ですが、彼らの不在がもたらすリスクは計り知れません。

心理的な影響も無視できません。ライブリーは、バルドーニの行動が「悲しみや恐怖、トラウマや極度の不安」を引き起こしたと述べています。映画の制作現場が「敵意に満ちた環境」になったという彼女の証言は、俳優が抱える見えないプレッシャーを浮き彫りにしています。

ハリウッドにおける性差別と権力乱用

この事件は、ハリウッドにおける性差別と権力乱用の問題を再び表面化させました。近年、#MeToo運動が盛り上がりを見せ、多くの著名な俳優や制作関係者がセクハラや権力乱用を告発してきましたが、依然としてこの問題は根深いようです。ライブリーの告発は、業界が依然として改革を必要としていることを示しています。

バルドーニによる「中傷キャンペーン」も、権力を利用した報復の一形態と見なされています。ライブリーが主張するように、彼女の評判を貶めるための組織的な操作が行われたとすれば、これは個人のキャリアに対する深刻な妨害行為です。こうした行動は、業界におけるパワーハラスメントの典型的な一例です。

変化を求める声とその行方

ライブリーの訴えは、映画制作の透明性を高め、俳優が安心して演技できる環境作りの必要性を再認識させるものでした。彼女は声明の中で「私の法的措置が、不祥事を告発する人々を傷つける報復措置を終わらせるのに役立ち、標的にされる人々を守る助けになることを願っている」と述べています。この言葉は、個人の勇気が業界全体に与える影響を示唆しています。

また、原作者であるコリーン・フーヴァーの支持も、ライブリーにとって重要な後押しとなりました。彼女の支援は、芸術家同士の連帯と支援の重要性を強調しています。

一方で、バルドーニのエージェンシーWMEが彼との契約を解除したことは、業界がセクハラに対して厳しい姿勢を取るようになっていることを示しています。これは、業界が少しずつ変化している兆候とも言えるかもしれません。

[高橋 悠真]

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