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2024年12月24日 20時31分

星野源、紅白で『地獄でなぜ悪い』を披露へ—選曲に賛否両論

星野源の選曲に見る紅白歌合戦の新たな挑戦

2024年の大晦日に放送される第75回NHK紅白歌合戦で、シンガー・ソングライターで俳優の星野源が披露する楽曲『地獄でなぜ悪い』が、ネット上で大きな波紋を呼んでいる。今回の選曲は、星野にとっても特別な意味を持つ楽曲であるが、過去の出来事が影を落とし、賛否両論を巻き起こしている。

この楽曲は、2013年に公開された園子温監督の同名映画の主題歌であり、星野自身も出演している作品だ。映画のテーマに合わせて書き下ろされたこの曲は、星野にとって病室での闘病生活中に生まれた特別なものである。しかし、園監督にかつて浮上した性加害疑惑が、今回の選曲に関する議論を複雑にしている。

楽曲に込められた思いと紅白への期待

星野源はこれまで紅白歌合戦に10回出場しており、その年に発表した楽曲を披露してきた。しかし、今回の『地獄でなぜ悪い』は2013年の作品であり、NHKからのオファーにより特別な形で選ばれた。星野はInstagramで「今年この曲を歌って欲しい」というNHKの熱い思いを受け取り、「血が沸き上がるような感覚になった」と語り、弾き語りでのパフォーマンスに意欲を見せている。

紅白の公式サイトでは、この曲が「人生の矛盾や厳しさを受け入れつつも、前向きに生きていく姿勢を表現」していると紹介されており、星野にとっても再びこの曲を歌うことが、多くのファンに勇気を与えることを期待されている。

過去の疑惑が呼び起こす波紋

しかし、園子温監督に関連する過去の疑惑が再燃し、ネット上ではこの選曲に対する批判も多く見られる。園監督は2022年に性加害疑惑が報じられ、訴訟にまで発展した過去がある。そのため、「なぜ今この曲を選んだのか」という疑問の声が多く上がっている。

音楽プロデューサーの松尾潔氏をはじめ、一部の音楽関係者やファンからは、星野とNHKに対して「考え直してほしい」という意見も出ている。星野のファンの中には、楽曲そのものには罪がないという立場から曲目を擁護する声もあるが、映画の監督との関係を懸念する意見が目立っている。

星野源の楽曲が持つ力

星野源にとって、『地獄でなぜ悪い』は単なる映画の主題歌以上の意味を持つ。彼が病室でこの曲を書き上げた背景は、多くのファンにとっても深く心に響くものであり、個人的な思いが込められている。この楽曲が持つ力は、彼のファンにとっても特別なものであり、紅白での披露を心待ちにしている人々も多い。

音楽は常に、その背景や制作過程に関わらず、多くの人々に感動を与える力を持つ。星野の『地獄でなぜ悪い』もまた、彼自身の経験と重なり、多くの人々に勇気を与える可能性を秘めている。今回の紅白歌合戦でのパフォーマンスは、そうした楽曲の力を改めて証明する場になるのかもしれない。

[中村 翔平]

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