兵庫県知事パワハラ疑惑、斎藤氏の再選後の行方に注目
兵庫県知事パワハラ疑惑を巡る議論の行方
告発とその波紋
今年3月、元局長は斎藤知事のパワハラを含む「七つの疑惑」を文書で告発しました。告発が報道機関に送付されると、斎藤知事はすぐにこれを「うそ八百」と非難し、元局長の懲戒処分を示唆しました。しかし、その後の調査で、斎藤氏の指示によるものかどうかを巡り、証言が食い違う状況に。元局長の懲戒処分は公益通報の調査が完了する前に行われており、その正当性が問われています。
証言の食い違いと委員会の分裂
証人尋問では、井ノ本知明前総務部長が「公益通報の調査が終わるまで処分を待つべきだと斎藤氏に進言し、了解を得た」と証言しましたが、斎藤氏はこれを否定しています。また、斎藤氏が部下からの進言を「記憶にない」とし、処分の前倒しについても否定していることが、委員会内での意見の分裂を招いています。さらには、百条委員会が恣意的に操作されているとの指摘もあり、委員会の信頼性が問われる事態となっています。
パワハラ認定に至らない調査結果
県の公益通報委員会は、斎藤氏のパワハラについて「確証を得られなかった」とする調査結果を公表しました。しかし、これは斎藤氏を完全に無罪放免するものではなく、是正措置としてハラスメント研修を実施することが発表されました。パワハラがなかったと断言するには至らなかったことから、百条委員会の判断が今後の焦点となります。
データ漏えい疑惑と第三者委員会の設置
元局長の私的情報とされるデータの漏えいについても議論が続いています。これに対して斎藤氏は、県庁内からの漏えいの可能性を認め、年内に第三者委員会を設置して調査する意向を示しています。情報漏えいが事実であれば、県政全体に対する信頼が大きく損なわれかねません。
斎藤知事の再選と求められる変革
パワハラ疑惑のさなか、斎藤知事は不信任決議を受けて失職しましたが、11月の知事選で再選を果たしました。再選後、斎藤氏は県職員とのコミュニケーションの改善を掲げ、年明けには意見交換の場を設ける意向を示しています。これは、幹部だけでなく中堅や若手職員との対話を通じて、県政運営の改善を図る狙いがあります。
[伊藤 彩花]