2024年12月25日 21時20分

NASAの挑戦：マーズ・チョッパーとParker Solar Probe

次世代の宇宙探査を担うNASAの挑戦

インジェニュイティの後を継ぐもの

火星探査のフロンティアを切り拓いたインジェニュイティは、その小さなボディで驚くべき成果を挙げました。次世代機として発表された「マーズ・チョッパー」は、まるで台風の際に見る傘の骨のようなデザインが特徴的です。SUVほどの大きさを持ち、6機のローターに36枚のブレードを搭載。これにより、最大積荷重量5kgを火星の空で運ぶことが可能です。地球上でのドローンの進化を彷彿とさせるこの革新的な設計は、火星でのさらなる科学調査の可能性を大きく広げることでしょう。

火星での探査ヘリの活用は、地上車両では到達困難な地点へのアクセスを可能にし、地形の詳細なマッピングや鉱物の採取など、多岐にわたる科学的調査を支援します。火星の大気は地球に比べて非常に薄いため、飛行に必要な技術は地球上のものとは異なり、極めて高度な制御が求められます。まさに技術の結晶とも言えるこのプロジェクトが、実現すれば火星探査に革命をもたらすでしょう。

太陽に最接近する探査機、Parker Solar Probe

一方で、NASAの探査機「Parker Solar Probe」は、太陽の過酷な環境に挑み続けています。2018年の打ち上げ以来、金星のスイングバイを利用して徐々に太陽に接近し、今回の最接近では約610万kmという距離まで迫りました。この距離は、過去のどの探査機よりも太陽に近く、秒速191kmという驚異的な速度で通過しました。この探査機の目的は、太陽コロナの直接観測です。これにより、太陽風やコロナ質量放出のメカニズム解明が期待されています。

太陽に面した側の温度は982度に達すると予測されており、熱シールドは1371度まで耐えられるように設計されています。この過酷なミッションは、まるで灼熱の砂漠を風速100kmで駆け抜ける冒険のようです。Parker Solar Probeがもたらすデータは、太陽の活動を理解し、地球に及ぼす影響を予測する上で重要な手がかりとなるでしょう。