ピコチャンブラック、精神成長でホープフルSに挑む
ピコチャンブラック、精神面の成長と新たな試みが光る
ピコチャンブラックは、これまで精神面の課題が指摘されていました。デビュー前からその気性の荒さが懸念され、レースでの集中力が不安視されていました。しかし、最近の調教では、ハミ(馬の口に当てる部分)をリングビットからトライアビットに変更したことが功を奏し、操縦性が向上したようです。この変更により、彼は折り合いが改善し、コントロールが取りやすくなったといいます。
トライアビットは、リングビットよりも口への当たりが柔らかく、馬の集中力を高める効果が期待できるハミです。これにより、ピコチャンブラックはストレスのかかる状況でも冷静さを保ち、安定した走りを見せることができるようになったのです。上原佑調教師も「レースもトライアビットでいきます」と自信をのぞかせています。
成長の証、前走からの進化
ピコチャンブラックは、その成長ぶりを前走のアイビーSでの経験を通しても示しています。2番手に控える形でのレースは、馬にとって重要な学びの場であり、今回のホープフルSで活かされることでしょう。ゲートが速い彼にとって、前に出すぎず、ペースを守ることは大きな課題でしたが、今回の調整でその壁を乗り越えられるかもしれません。
福島の新馬戦では7馬身差という圧倒的な勝利を収めましたが、それとは異なる冷静さを求められた前走のアイビーSは、彼にとって新たなステップとなりました。前走後、体に余裕があったと指摘されたことから、現在の体調管理にも注力している様子がうかがえます。「体はだいぶできている」とのコメントからも、陣営の逆襲への自信が感じられます。
精神面の成長と今後の期待
ピコチャンブラックの精神面での成長は、単なる気性の落ち着きだけではありません。オンとオフの切り替えができるようになったという報告は、競走馬にとって非常に重要な要素です。これにより、レース前の興奮を抑え、レース中に最大限のパフォーマンスを発揮することが期待されます。
また、上原調教師の「普段はおとなしくなりました」という言葉には、彼の成長を見守る温かいまなざしが感じられます。これまでの経験を通じて、彼はレースに対する姿勢を変えつつあります。このように、彼の成長は、今後のレースでも大きな武器となるでしょう。
若駒たちの未来に期待を寄せて
ピコチャンブラックは、父キタサンブラックから受け継いだ素質を存分に発揮しつつあります。雄大な馬体と力強い走りは、まさに父の姿を彷彿とさせます。彼がホープフルステークスで見せるであろうその走りは、ファンにとっても陣営にとっても大きな期待を抱かせるものでしょう。
舞台が東京から中山に変わることも、彼にとってはプラスに働くと予想されます。中山競馬場の特徴を活かし、彼の持つ末脚の持続力がどのように発揮されるか、非常に楽しみです。そして、距離が延びることも彼の長所を引き出す要因となるでしょう。
[鈴木 美咲]