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2024年12月26日 08時21分

いしわたり淳治が語る、現代ラブソングの変遷と広告の力

いしわたり淳治が語る現代ラブソングの変遷と広告の力

作詞家として名を馳せるいしわたり淳治が、音楽バラエティー番組『EIGHT-JAM』で披露するロジカルな歌詞解説が話題を呼んでいる。彼の視点を通じて、時代と共に変わりゆくラブソングの姿が鮮明に浮かび上がる。今月、彼が取り上げたクリナップのキッチンCMソングは、未来を描くユニークな構成で、現代のラブソングの新しい形を提案している。

ラブソングの進化:個人の自由と共感の狭間

時代が進むにつれて、結婚や家族といったテーマがラブソングの中で持つ重みは増している。個人の自由な生き方が尊重される現代において、結婚をテーマにした歌は、聴く人の共感を得にくくなっているのかもしれない。しかし、だからといってラブソングが消えることはなく、その形は変化していく。

クリナップのCMソングが示すように、これからのラブソングは「結婚しよう」や「君とずっと一緒にいたい」といった直接的な表現から、間接的かつカジュアルな表現へとシフトしていくのだろう。選択の自由が尊重される時代だからこそ、選ぶ瞬間のワクワク感や未来への憧れが、愛のメッセージとしてより多くの人に届くのだろう。

広告と歌詞が紡ぐ新しい物語

広告という媒体は、しばしば人々の日常に潜む小さな物語を引き出す。クリナップのCMもまた、キッチンを選ぶという日常の一コマを通じて、未来の家族像や日常の幸福を描いている。キッチンという空間には、料理を通じた家族のコミュニケーションや、夫婦の共同作業といった物語が潜んでいる。このCMは、そうした日常の中の小さな幸せを、ラブソングを通じて表現している。

こうした広告ソングの魅力は、その日常の一コマを切り取り、聴く人に共感を呼び起こす力にある。広告という短い時間の中で、どれだけ多くの人にメッセージを届けられるかが、その成功を決める。このCMの歌詞が頭から離れないのは、未来の空想という形で、私たちが普段見過ごしている日常の幸せを思い出させてくれるからだ。

未来のラブソングに求められるもの

現代のラブソングに必要とされているのは、直接的な愛の告白よりも、日常の中に潜む小さな幸せを見つけ、それを楽しむ視点かもしれない。いしわたり淳治のような作詞家が示す新しいラブソングの形は、これからも多くの人々の心を捉えていくだろう。広告ソングが持つ力を通じて、私たちの日常の中に潜む小さな物語を見つけ出し、それを楽しむことが、未来のラブソングの鍵となるのかもしれない。

このように、広告と音楽が交錯することで生まれる新しいラブソングの形には、まだまだ可能性が広がっている。誰もが共感できるささやかな幸せを、どのように表現していくのか、その未来に期待が集まる。

[伊藤 彩花]

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