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2024年12月26日 08時20分

AIの進化と脅威に備える:2025年のサイバーセキュリティ戦略

AIの進化と脅威: 2025年のサイバーセキュリティの未来

このレポートによると、AIを悪用した詐欺や攻撃はますます巧妙化すると予想されています。特に、ディープフェイク技術の進歩により、詐欺師たちはリアルで説得力のある偽情報を作り出すことが可能になるでしょう。想像してみてください。SNS上で友人や家族になりすまし、巧みに情報を引き出す詐欺が横行する未来を。その際、AIはソーシャルメディアの投稿内容から個人の書き方や表現を学習し、より本物らしい詐欺を展開するための強力な武器となります。

さらに、フィッシング攻撃を支援するAIツールが登場することで、技術的な知識が少ない犯罪者でも簡単に攻撃を実行できるようになると懸念されています。これまでのフィッシングメールが手作業で作られていたのに対し、AIのサポートにより、より精巧でターゲットに特化した攻撃が可能になるのです。

法人組織のAI利活用の光と影

特に懸念されるのは、大規模言語モデル(LLM)を介した機密情報の流出です。従業員が無意識のうちに個人情報や知的財産をAIに入力してしまうことで、これらの情報が外部に漏れる危険性があります。このような情報漏洩は、企業にとって致命的な打撃を与えかねません。

また、AIを活用してインフラの脆弱性を発見するケースも増えており、その情報が流出した場合、サイバー攻撃に悪用されるリスクが高まります。企業が導入しているAIサービス自体の脆弱性が新たな攻撃対象となり、外部からの乗っ取りを含む不正利用の脅威も懸念されます。

AI時代のセキュリティ対策の重要性

このような脅威に対抗するため、テリロジーとアイティーエムは、トレンドマイクロの「TippingPoint-IPS」を活用したマネージドセキュリティサービスの提供を開始しました。このサービスは、24時間365日の監視体制を敷き、重要なアラートの監視や対応を行うことで、企業の運用負担を軽減しつつ、タイムリーな脆弱性対策を実現しています。

IPS(侵入防御システム)は、ネットワークレベルでの脆弱性に対処する「仮想パッチ」機能を持ち、ゼロデイ攻撃やサポート終了OSへの攻撃にも有効です。このようなサービスの導入は、企業がAI時代に求められるセキュリティ対策を強化するうえで欠かせない要素となるでしょう。

生成AI利用のリスクとその認識

生成AIの業務利用に関する調査では、法人組織の98.4%が何らかのリスクを認識していることが明らかになりました。著作権や肖像権の侵害、機密情報の漏洩など、具体的なリスクが挙げられています。また、生成AIの普及により、外部からの攻撃リスクが増大すると考える回答者も多く、AIの利便性を享受する一方で、セキュリティ対策の重要性が再認識されています。

このように、AI技術の進化は私たちの生活やビジネスに多大な影響を与え続けています。便利さとリスクは表裏一体であり、私たちがどのようにAIを活用し、どのようにその悪用を防ぐかが、これからの時代の鍵となるでしょう。

[鈴木 美咲]

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