国際
2024年12月26日 17時30分

韓国政治の大波:大統領職務代行弾劾の行方

韓国政治のうねり:大統領職務代行の弾劾訴追案が突きつける新たな試練

韓国政治の中心で、前例のない動きが進行しています。最大野党「共に民主党」は、現在の大統領職務代行である韓悳洙(ハン・ドクス)首相に対する弾劾訴追案を国会に発議しました。これにより、韓国はまたもや政治的な嵐に巻き込まれています。この動きは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳令を宣言したとして弾劾された後の混乱の中で起こりました。

政治的背景と現状

韓国の政治状況は、まるでジェットコースターのように急展開を見せています。尹錫悦大統領が非常戒厳を宣言し、その後、内乱の容疑で捜査を受けていることから、彼の職務は停止され、現在、韓悳洙首相がその職務を代行しています。この非常戒厳令は、政治的な緊張を一層高める結果となり、国会では尹氏の弾劾訴追案が可決されました。これに続いて韓首相が大統領職務を代行することとなりましたが、彼に対する弾劾訴追案が提出されるという事態に至ったのです。

最大野党「共に民主党」は、韓首相が求められていた憲法裁判所の裁判官3人の任命を拒否したことを理由に、彼の弾劾訴追案を提出しました。野党は、韓首相が国会の推薦した裁判官を任命しないことを問題視し、「憲法を守る資格も意思もない」と批判しています。

法的および政治的な影響

この弾劾訴追案が韓国史上初めてという点は、政治の新たな局面を示しています。韓国の政治システムでは、大統領職務代行に対する弾劾という選択肢が実際に行使されるのは、これが初めてです。この動きは、韓国の政治文化に新たな前例を作ることになるでしょう。

野党と与党の間で、弾劾案の可決に必要な票数についても意見が分かれています。通常の首相の弾劾案と同様に過半数が必要なのか、大統領の弾劾案に準じて3分の2が必要なのか、ここでも合意には至っていません。これにより、韓国の政治制度が直面する法的な課題や解釈の難しさが浮き彫りになっています。

先行きに対する見通し

[伊藤 彩花]

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