Number_i、初ツアーで示す未来へのステップとファンへの想い
Number_i、全国ツアーで示した成長と未来への想い
全国7都市を駆け巡ったNumber_iの初ライブツアー「Number_i LIVE TOUR 2024 No.I」が、12月26日に埼玉県さいたまスーパーアリーナでフィナーレを迎えた。岸優太の故郷である地で幕を閉じたこのツアーは、彼らにとって特別な意味を持つものであり、ファンとの絆をさらに深める機会でもあった。
その始まりは、9月にリリースされた1stフルアルバム「No.I」から。「What is Number_i?」という問いがデビュー曲「GOAT」のMVに刻まれているように、彼らはこのツアーで自身の音楽とパフォーマンスを通じて、その答えを示そうとしていたのだ。
観客を魅了する多彩なステージ演出
アリーナが暗転し、オープニングムービーが終了すると、ステージ前方から炎が噴き出し、天井からは大量の水が降り注ぐ。まるで自然の力をそのまま体感しているかのようなダイナミックな演出に、観客の期待感は一気に高まる。Number_iのメンバー、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太がステージに姿を現し、神宮寺プロデュースの「INZM」でライブがスタート。この楽曲は、岸のクールなラップ、神宮寺の伸びやかな歌声、そして平野の低音ラップが融合し、観客を熱狂の渦に巻き込んだ。
続いて披露された「GOAT」や「FUJI」では、ダンサーとともにアグレッシブなパフォーマンスが展開される。まるで、彼ら自身が音楽のなかで自由に飛び回っているかのようで、観客もその自由さに引き込まれていく。3日間で5公演を行ったさいたまスーパーアリーナでは、まさにNumber_iの音楽世界を存分に味わうことができた。
雨とともに奏でる感情の深さ
ライブのハイライトのひとつは、神宮寺が透明なボックスの中で「Bye 24/7」を歌うシーンだった。雨が降り注ぐなか、彼のエモーショナルな歌声が響き渡る。雨はしばしば悲しみや切なさを象徴するが、神宮寺の歌声はその雨の中で希望を見出すかのようだ。その一方で、岸は自身のソロ曲「Recipe」でギターやベースのサウンドをその場で重ねていき、音楽に対する情熱を表現した。
平野の「透明になりたい」では、スモークが焚かれた幻想的なステージで、彼のハスキーな歌声が観客を包み込む。まるで、彼の内面の想いが音楽を通して自然と溢れ出してくるようで、観客もその感情に引き込まれた。
ファンとの特別な時間
MCでは、クリスマスの思い出話に花が咲く。メンバーが子供時代のエピソードを語る中で、平野は3人だけで食事に行った話を披露。「なんだかんだ仕事の話しちゃうけど、楽しかった。素敵な時間でした」と笑顔を見せると、観客からは温かい拍手が送られた。神宮寺が「紫耀がおごってくれました」と告げると、さらに大きな拍手が。こうしたエピソードは、ファンにとっても彼らの人間味を感じられる瞬間であり、親近感を抱かせる。
未来への希望を込めたラストソング
アンコールでは、3人がサンタクロースをイメージした装いで登場し、クリスマスソングを披露。特に「iLY」は、Number_iがファンへの感謝の気持ちを込めた楽曲であり、彼らの心の内をそのまま伝えるものだ。ステージを移動しながら、彼らはファン一人一人に向けて歌を届けた。その光景は、まるで彼らがファンと一緒に未来を歩んでいくことを約束しているかのようだった。
Number_iのツアーは、多彩な楽曲と演出を通じて彼らの成長を感じさせるものであり、ファンとの絆を深める素晴らしい機会となった。このツアーを経て、彼らが次に何を見せてくれるのか、ファンの期待は一層高まっている。彼らの音楽の旅はまだ始まったばかりであり、その先にはさらなる可能性が広がっている。
[伊藤 彩花]