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2024年12月27日 09時20分

NHK朝ドラ『おむすび』、視聴者の心をつかめない理由とは?

朝ドラ『おむすび』、視聴者のハートをつかめない理由

NHK連続テレビ小説『おむすび』が、視聴者の目を引きつけることに苦戦している。12月19日時点での平均視聴率は13.4%と低調で、2009年度下期の『ウェルかめ』のワースト13.5%を下回る可能性がある。これが朝ドラファンの間で大きな話題となっている。なぜ『おむすび』は視聴者の心をつかめていないのか、その理由を探ってみよう。

魅力に欠けるキャラクター設定

『おむすび』のキャラクター設定が視聴者の共感を得られていないことが一因だ。特に主役の米田結(橋本環奈)が演じるキャラクターは、物語の進行とともに変化し、その変化が視聴者に違和感を与えている。序盤では純粋で一生懸命な女子高生だった結が、ギャル文化に影響され、自己中心的な一面を見せ始めたことが、多くの視聴者にとって受け入れがたいものとなっている。

結の行動は「ギャルの掟」に基づいており、特に「他人の目は気にしない、自分が好きなことは貫け」という掟が、協調性や常識の欠如として映ってしまう。この設定が、特に50代以上の視聴者には響かない要因となっている。

世代を超える共感の難しさ

朝ドラの主要な視聴者層は50代以上の女性である。しかし、『おむすび』は「平成青春グラフィティ」という設定から、若年層の視聴者を意識しているようだ。この試みは、若い世代を引き込むことができず、主要視聴者層にも響かない結果となっている。特に、50代以上の個人視聴率は前作に比べて大幅に減少しており、彼らにとって魅力的な要素が欠如していることが明らかだ。

また、若年層でもF1層(女性20~34歳)とM1層(男性同)の視聴率が低く、どの年齢層にも支持されていないというのが現状だ。このことは、世代を超えた共感を得ることがいかに難しいかを示している。

感動を呼び起こす力の不足

ストーリーやキャラクターの設定が複雑であるため、本作は視聴者に感動を与える力が不足している。前作『虎に翼』や『ブギウギ』では、視聴者の心に響く感動的な場面が多くあったが、『おむすび』ではそのような場面が少なく、視聴者が物語に深く入り込むことが難しい状況だ。

例えば、主人公の結が職場での提案に対して謝罪するシーンは、視聴者にとって彼女のキャラクターが浅いと感じさせるものだった。結の行動や言動が一貫性を欠き、視聴者を引き込む力が弱いと感じさせる。

[中村 翔平]

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