ヤマハPG-1登場!ホンダ ハンターカブとのオフロード対決が激化
ヤマハPG-1 vs. ホンダ ハンターカブ/クロスカブ:オフロードテイストの新たな風
2023年の年末、タイとベトナムで相次いで発表されたヤマハの「PG-1」。その登場は、ホンダのハンターカブやクロスカブに対する挑戦状と捉えられています。この新しいオフロードテイストの原付二種は、果たしてどれほどの実力を秘めているのでしょうか。今回は、その実力を徹底的に検証し、ヤマハとホンダの熱いバトルを紐解いていきます。
スポーティーな構成とオフロード志向
ヤマハPG-1は、そのスポーティーな構成が目を引きます。前後16インチのホイールを採用し、バーハンドルの設計は、かつての「オフロードのヤマハ」を彷彿とさせます。特に、テレスコピック式フロントフォークを採用し、フロントのフォークストロークが130mmと最長である点は、オフロード性能を重視していることを示しています。最低地上高も190mmと高く、ガレ場の走破性を意識した設計です。
一方で、ホンダのハンターカブとクロスカブは、17インチのホイールを採用しており、より伝統的なオフロードバイクの印象を与えます。クロスカブ110は、一般的なスクーターと同様のユニットステアを採用しており、街乗りに適した柔軟な操舵感が特徴です。CT125ハンターカブは、アップマフラーやスキッドプレートなど、よりアグレッシブなオフロード仕様となっています。
エンジンと走行性能の比較
PG-1は114ccの空冷単気筒エンジンを搭載し、最大出力8.9ps/7000rpmを発揮します。このエンジンは、軽やかな回転フィールを持ち、スポーティーな走りを実現しています。しかし、圧縮比が9.3と低いため、燃費性能での優位性は期待できないかもしれません。
対するクロスカブ110とCT125ハンターカブは、ホンダらしい堅実な設計が光ります。クロスカブ110は、109ccのエンジンで8.0psを発揮し、実際の走行ではPG-1と互角以上の動力性能を見せつけます。CT125ハンターカブは、124ccで9.1psを発揮し、最大トルクは1.1kg-mと最も高く、低速からの力強いトルクを感じることができます。
操作系と快適性
操作系では、PG-1がハザードランプを装備している点が特徴的です。これは、ツーリング中の安全性を高めるための工夫であり、ライダーにとって安心感を提供します。チェンジペダルはリンク方式のシーソー式で、つま先側が足の甲での操作にも対応しているため、ライディングポジションの自由度が高いです。
クロスカブ110とCT125ハンターカブも、シンプルで使いやすい操作系を備えています。特に、クロスカブ110のフラットなペダル類は、スニーカーでも操作しやすく、日常使いに最適です。一方、CT125ハンターカブは、オフロード志向のギザギザ付きブレーキペダルを採用し、オフロードでのしっかりとしたグリップ感を提供します。
市場における立ち位置と今後の展望
一方、ホンダのハンターカブとクロスカブは、既に確固たる地位を築いており、その堅実な走行性能と信頼性から多くの支持を集めています。特に、スーパーカブの立体商標登録は、ホンダのデザインやブランド価値を強化する要因となっています。
ヤマハPG-1が国内市場に投入されることで、ホンダとの競争はさらに激化するでしょう。その結果、ユーザーにとっては、より多様な選択肢が提供され、オフロードテイストの原付二種市場が活性化することが期待されます。オフロードの風を再び吹かせるヤマハと、それに立ち向かうホンダ。両者の熱い戦いは今後も続き、ライダーたちに新たな冒険の可能性を提供し続けることになるでしょう。
[中村 翔平]