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2024年12月28日 07時20分

doda調査が示す職種別年収ランキングのリアル

年収とボーナスで見える職種の魅力とは?doda調査が示すビジネスパーソンのリアル

ビジネスパーソンにとって、給与やボーナスは生活の基盤であり、日々の努力の成果を評価する一つの指標でもあります。パーソルキャリアが提供する転職サービス「doda」が発表した最新の調査結果は、多くの読者の関心を引いています。業種別、職種別に分けられた平均年収ランキングやボーナス支給の実態は、各業界の現状や今後の可能性を探るための重要な情報源となっています。

業種別年収ランキングに見るビジネスのトレンド

今回の調査によると、業種別の平均年収ランキングでトップに立ったのは「ベンチャーキャピタル/プライベートエクイティ」で、平均年収は816万円に達しました。この結果は、資金調達や投資の専門知識が求められるこの分野が、依然として高い需要を誇ることを示しています。2位には「投信/投資顧問」(800万円)、3位には「たばこメーカー」(790万円)が続きます。

興味深いのは、IT・通信関連業種の中で最上位に位置した「総合電機メーカー」(559万円)が11位であったことです。デジタル化が進む現代において、IT業界の存在感は増しているものの、給与水準では伝統的な業界に及ばない部分もあるようです。

この背景には、IT業界自体の多様性と、業種間での給与差が影響していると考えられます。例えば、ITコンサルティングやデータ分析といった専門的なスキルを持つ職種は、比較的高い報酬が得られる一方で、一般的なIT関連の職種では必ずしも高収入が保証されないという現実があります。

職種別ランキングから見る専門職の価値

職種別の平均年収ランキングでは、「医者」が堂々の1位に輝き、年収は1089万円と高水準です。医療の分野は、常に高い専門性と責任が求められることから、その給与は自然と高くなる傾向にあります。2位の「アナリスト(金融系専門職)」(911万円)、3位の「ファンドマネジャー/ディーラー」(873万円)といった金融業界の職種も上位にランクインしています。

金融系職種が高年収をマークしている理由として、グローバルな経済環境の変化とそれに伴うリスク管理の重要性が挙げられます。市場が不安定な時代にあって、確かな分析力と判断力を求められる金融の専門職は、企業にとって不可欠な存在となっています。

ボーナス支給額の変動とその背景

ボーナスの支給額に関する調査結果では、平均支給額は年間106.7万円と、前年度から微減しました。しかし、この数字だけでは全体像は見えてきません。年代別の変化を見ると、30代のボーナスが微増した一方で、40代と50代では減少傾向にあります。これは、若手の賃金上昇が進む一方で、ベテラン層には厳しい現実があるということを示唆しています。

特筆すべきは、「内部監査」がボーナス支給額ランキングで大幅に順位を上げ、1位に輝いたことです。これは、企業におけるリスク管理の重要性が増している現状を反映していると考えられます。内部監査は、企業が法令遵守を行いながら効率的に運営されるための重要な役割を担っており、その価値が再評価されているようです。

見えてくる将来の可能性

このように、業種別や職種別の年収ランキング、ボーナスの支給額の変動を見ていくと、現代のビジネス環境がどのように進化しているか、またどのようなスキルや役割が求められているかが浮かび上がります。特に、デジタル化やグローバル化が進む中で、専門性を持つ職種が高く評価される傾向は今後も続くでしょう。

また、リスク管理や内部統制といった業務の重要性が増していることから、これらの分野でのキャリアを考えることは現実的な選択と言えます。変化の激しい時代にあって、自分のスキルを磨き続けることが、安定したキャリアを築くための鍵となるでしょう。

この調査結果は、今後のキャリア選択の一助となるだけでなく、ビジネスパーソンが自身のキャリアを見直す良い機会となるかもしれません。職業選択の基準は一様ではありませんが、給与やボーナスといった経済的な側面から見た職業の魅力は、依然として大きな指標であることに変わりはないようです。

[高橋 悠真]

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