藤原ヒロシの「V.A.」が原宿に新風を吹き込む
藤原ヒロシが手がける「V.A.」──原宿の新たなカルチャースポットの誕生
パンの香りとファッションが交差する空間
「V.A.」のコンセプトは、まさにその名の通り”Various Artists”──様々なアーティストが集まる場です。建物の1階は物販およびポップアップスペース、2階にはベーカリーショップ「VAT BAKERY」とカフェスペースが設けられています。この組み合わせは、日常の中に非日常を感じる瞬間を提供してくれます。藤原ヒロシは、パンの香りが漂う空間でショッピングを楽しむことができるというアイデアを、非常に魅力的だと感じたそうです。確かに、焼きたてのパンの香りは、どこか懐かしく、心を落ち着かせてくれるものです。
多様なブランドとのコラボレーション
「V.A.」の1階では、「Champion」「Hender Scheme」「Levi’s®」「L.L.Bean」「New Era®」といったブランドとのコラボレーションアイテムが並びます。さらに「agnès b.」「Au Départ Paris」「CONVERSE」「PAC-MAN」など、人気ブランドとの限定アイテムも展開され、訪れる人々をワクワクさせます。これらのブランドは、藤原ヒロシの手によって新たな形に生まれ変わり、ファッションの可能性を広げています。
藤原ヒロシのビジョンと「V.A.」の未来
藤原ヒロシは、「V.A.」を単なるストアとしてではなく、文化的なプラットフォームとして位置づけています。「この場所は、ただモノを売るだけではなく、人々が集い、交流し、新しいものを生み出す場であってほしい」と彼は言います。このようなビジョンは、彼自身が世界中のカフェを訪れ、その空間の持つ力を感じてきたからこそ実現できるのでしょう。
藤原が語るように、「V.A.」は今後、ポップアップストアとしても稼働する予定です。様々なブランドやアーティストがこの場所を借り切り、イベントを開催することも計画されています。これによって、訪れるたびに新しい発見がある、そんな空間が生まれることを期待できます。
「V.A.」の経済的成功とその背景
「V.A.」のオープン初日には、3000万円近くの売上を記録し、その後も毎日1000万円以上の売上を維持しています。この背景には、藤原ヒロシの影響力とブランドの魅力が大きく寄与していることは間違いありません。特に、L.L.BeanのトートバッグやCONVERSEのスニーカーなど、コラボアイテムが人気を集めています。
また、ウェブによる事前予約制を導入することで、効率的な集客を実現し、物販と飲食スペースをバランスよく運営しています。こうした戦略的なアプローチが、経済的な成功を支えているのです。
ストリートウェアカルチャーへの影響
藤原ヒロシは、ストリートウェアカルチャーのゴッドファーザーと称される存在。彼が主宰するフラグメントデザインは、ナイキとのコラボレーションで新たなスニーカー「エア ズーム スピリドン x フラグメント」を発表しました。このシューズは、1997年に発売されたクラシックなモデルを現代風にアップデートしたもので、クラシックなブラックとホワイトのアッパーにブルーボイドのアクセントが施されています。
このように「V.A.」は、ファッション、カフェ、ベーカリーが融合した新しい文化的プラットフォームとして、原宿に新たな風を吹き込もうとしています。訪れるたびに異なる顔を見せるこのスポットは、まさに変化を楽しむ原宿の象徴ともいえるでしょう。藤原ヒロシのビジョンがどのように具現化され、進化していくのか、今後も目が離せません。
[伊藤 彩花]