経済
2024年12月29日 16時40分

新NISA開始1年:投資初心者の不安と解決策

新NISA開始から一年:揺れる初心者たちの不安とその解決策

2024年の始まりとともに、多くの個人投資家に希望をもたらした「新NISA」が間もなく一年を迎えようとしています。しかし、その一方で、投資初心者たちの中には元本割れや日経平均株価の乱高下に対する不安を抱える人々も多く存在します。金融市場の波に揺れるこの一年、NISAを通じて資産運用を始めた人々はどのような状況に直面し、どのように対処するべきなのでしょうか。

元本割れの不安を乗り越えるために

新NISAは、少額からの投資を非課税で行える非常に魅力的な制度ですが、投資初心者にとっては株価や投資信託の価格変動が大きな心理的ハードルとなることがあります。特に、2024年8月に起こった株価の急落は、多くの投資商品の評価額を押し下げ、多くの投資家が元本割れを経験しました。

元本割れとは、投資した資金がその時点での評価額を下回る状態のことを指します。この状況に直面すると、焦りや不安から解約を検討してしまう人が多いですが、そうした短期的な感情に流されることは得策ではありません。投資の基本は長期保有です。短期的な値動きに惑わされず、冷静に状況を判断することが重要です。

市場が一時的に下落しているときこそ、積立を続けることが重要です。これはドルコスト平均法と呼ばれる手法で、価格が低いときに多くの口数を購入することにより、平均購入単価を下げることができます。市場は歴史的に見ても、下落後に回復することが多いため、低価格で購入した資産が回復局面で大きな利益を生む可能性があります。

老後資金としての新NISA活用法

新NISAのもう一つの大きな魅力は、投資で得た利益が非課税になることです。これにより、長期的な資産形成を目指すことができるため、老後資金としての活用が期待されています。例えば、45歳の会社員が月3万円を20年間積み立てた場合、運用利率5%で約1233万円の資産を形成できるというシミュレーションもあります。

この資産を老後に取り崩していく際に有効なのが「4%ルール」です。毎年資産の4%を取り崩し、残りを運用し続けることで、資産を長期にわたって維持することが可能です。もちろん、運用利回りが5%を下回るリスクはあるものの、この方法を用いることでより安定した資金管理が可能となります。

初心者が抱える知識不足の解消法

新NISA開始から一年、多くの初心者が「暴落が不安」「今の銘柄でよいのか」といった悩みを抱えていることが調査で明らかになりました。特に、SNSやインターネット上にあふれる情報に惑わされ、何が正しいのか見極めることが難しいと感じる人が多いようです。

こうした不安を解消するためには、まず基礎的な投資知識を身につけることが重要です。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、自分の投資スタイルに合ったアドバイスを得ることができるでしょう。また、投資信託や株式の基準価額の動きを定期的にチェックし、長期的な視点での投資計画を立てることが大切です。

不安を乗り越え、より良い未来へ

新NISAの制度を活用することで、多くの人々が資産形成を始めていますが、投資初心者にとって市場の変動は大きな試練でもあります。しかし、投資の本質を理解し、長期的な視野で資産を運用することができれば、やがて不安は希望へと変わるでしょう。

投資は決して一朝一夕で成果が出るものではありません。長いスパンでの計画を持ち、焦らずに継続することこそが、成功への道筋を切り開く鍵となります。市場の波を乗り越え、未来の自分に対する投資を続けていくことが、より良い資産形成への第一歩となるでしょう。

[山本 菜々子]

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