スポーツ
2024年12月29日 20時20分

久保建英の市場価値下落、欧州サッカー界の現実とは

久保建英の市場価値下落に見る欧州サッカー界の厳しい現実

市場価値の下落と選手の実力は比例しない?

久保の市場価値が下がった背景には、彼のパフォーマンスが低迷しているという見方がある一方で、実際のプレー内容は必ずしもそれを反映していない。レアル・ソシエダ自体はシーズン序盤こそ苦戦したものの、その後調子を取り戻し、ラ・リーガ7位でシーズンを終えている。また、久保自身も今季ここまで24試合に出場し、4ゴール2アシストを記録している。これは昨シーズンの41試合で7ゴール5アシストという成績に比べると見劣りするかもしれないが、彼の役割は依然としてチームにとって重要であることに変わりはない。

市場価値が下落した他の要因として、チームメイトのミケル・オヤルザバルやブライス・メンデスも同様に価値を下げていることが挙げられる。つまり、この変動は個々の選手の問題だけでなく、チーム全体のパフォーマンスや市場の動向に影響されている可能性がある。

市場価値とは何か?

市場価値とは、選手の実力、人気、将来性、さらにはクラブの経営戦略など多くの要素が複雑に絡み合って決定される。特に若い選手の場合、そのポテンシャルが大きく評価されるが、同時に実績が求められることもある。久保の場合、まだ22歳という若さであり、これからの成長が大いに期待されている。しかし、欧州トップリーグでの競争は熾烈であり、一瞬のスランプでも市場価値に大きく影響を及ぼすことがある。

現地メディアが指摘する「久保の低迷」は、実際のプレー内容というよりも、期待値と現実のギャップを強調したものとも言える。ラ・リーガという世界最高峰のリーグでのプレーは、選手にとって大きな挑戦であり、特に若手選手にとっては、時には辛辣な評価を受けることもある。

過去の英雄たちと久保の未来

日本人選手が欧州のクラブで成功を収めることは、これまでにもいくつかの例がある。例えば、マジョルカで奇跡的な残留を果たした大久保嘉人や、ローマでのスクデット獲得に貢献した中田英寿、さらにはセルティックで伝説を築いた中村俊輔などが挙げられる。彼らの活躍は、単にチームを救っただけではなく、クラブの歴史に名を刻むような偉業でもあった。

一方で、久保には彼らと同じ道を歩むためのチャンスがあることを忘れてはならない。彼のこれまでのキャリアを振り返れば、常に新しい挑戦に立ち向かい、そのたびに成長を遂げてきたことがわかる。特に、レアル・ソシエダでの彼の役割は、単なる攻撃陣の一員としてだけでなく、チームの戦術的な核としての存在感を示している。

今後の展望

2025年の初試合はコパ・デル・レイのSDポンフェラディーナ戦が予定されており、この試合は久保にとって新たなスタートとなるだろう。市場価値の変動は、選手のキャリアにとって一つの指標に過ぎない。大事なのは、彼がピッチ上でどのようなプレーを見せ、チームをどれだけ勝利に導けるかである。

久保建英の市場価値が下落したとはいえ、その実力や潜在能力が揺らぐわけではない。彼の未来はまだまだ明るく、これからのシーズンでのさらなる躍進が期待される。サッカー選手にとって大切なのは、過去の栄光や一時の評価ではなく、今ここで何を成し遂げるかだ。久保の挑戦はまだ続く。彼が再び市場価値を上げ、さらなる高みを目指す日を、多くのサポーターが心待ちにしている。

[伊藤 彩花]

タグ
#サッカー
#久保建英
#市場価値