セブンプレミアムの未来戦略:消費者心を掴む新商品とは
「セブンプレミアム」が拓く未来:物価高騰時代の消費者との新たな関係性
消費者の心を掴む「セブンプレミアム」の戦略
「セブンプレミアム」は、日常の食卓に満足感を届ける「セブンプレミアム」、専門店とのコラボレーションで上質を追求した「セブンプレミアム ゴールド」、そして品質と手頃な価格を両立した「セブン・ザ・プライス」と、消費者の多様なニーズに応える3つのブランドを展開しています。特に「セブン・ザ・プライス」は、今期に入り品数が大幅に増え、上期の売上が約200%と急成長を遂げました。
北村成司副本部長は、「お客様の価格感度はかつてないほど高まっている」とし、単に安価なだけではなく、価格と価値のバランスが重要であることを強調しています。特に、冷凍食品の唐揚げや野菜などで好評を得たことが、新たな消費者層を開拓する要因となりました。
新しい価値を提供する新製品群
また、ビールカテゴリでは「セブンプレミアム エールズ」が成功を収めており、わずか1ヶ月で計画の約2倍にあたる100万本を販売する人気ぶりです。この商品は、サントリーと共同開発し、品質を保ちながらもコストを抑えたことで多くの消費者に受け入れられました。さらに、菓子カテゴリの「チョコっとグミ」シリーズも、食感や見た目で好評を得ており、累計500万個以上を販売しています。
コンビニとスーパーの知見を融合した商品開発
「セブンプレミアム」は、その成長の裏にコンビニとスーパー双方の知見を活用しています。北村副本部長は、「おいしさを追求するセブン-イレブンと、幅広いカテゴリーに対応するイトーヨーカドー、ヨークベニマルの知見が重なり合うことで、商品開発力を高めてきた」と語ります。たとえば、冷凍餃子のコンビニ市場への導入は、スーパーの知見がなければ実現しなかったことでしょう。
また、「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」など、価格以上の価値を追求する商品開発は、セブン-イレブンの真骨頂とも言えます。辛さの中に旨みを感じるこの一杯は、スーパーのカップ麺売り場でもトップの売上を誇る商品となっています。
セブン&アイグループは、価値と価格のバランスを追求する「セブンプレミアム」を中心に、消費者にとっての新たな価値を提供し続けています。質の深さと幅の広さを掛け合わせた商品開発力は、同グループの強みとして今後も活かされ、消費者との新たな関係性を築いていくことでしょう。
このように、日々変化する消費環境の中で、セブンプレミアムは一歩先を行く戦略で消費者の心を掴んでいます。今後もどのような商品が登場し、どのように消費者の日常を豊かにしていくのか、目が離せません。
[伊藤 彩花]