カカオショックが変革するチョコ市場!フルタとロッテの戦略とは
カカオショックがもたらすチョコレート市場の変革
チョコレート市場に激震を与えている「カカオショック」は、原材料であるカカオ豆の価格高騰を引き起こし、業界全体に影響を及ぼしています。しかし、この逆境をチャンスに変えようとする動きもあります。フルタ製菓の「チョコエッグ」とロッテの「ガーナ」ブランドは、それぞれの戦略でこの難局を乗り越えようとしています。
キャラクター戦略で魅力を増すフルタ製菓
フルタ製菓は、「チョコエッグ」ブランドにおいてキャラクターの力を活用し、付加価値を高めています。「チョコエッグ(サンリオキャラクターズ)」の新発売はその一例で、サンリオの人気キャラクターを使用することで、幅広い年齢層にアプローチ可能です。特にサンリオキャラクター大賞で上位に入ったキャラクターを取り入れることは、多くのファンを引きつける要因となります。
また、「チョコエッグキッズ」シリーズでは、「桃太郎電鉄」をテーマにした商品を展開し、教育的要素を加えています。地名や特産品を学べるコンテンツが含まれており、親子で楽しめることから二世代にわたるファンを獲得しています。教育と娯楽を兼ね備えたこのアプローチは、デジタル時代においてもアナログな楽しみを提供する価値を再認識させるものです。
ロッテの多角的アプローチと需要期の重要性
チョコレート市場から他カテゴリへの流出を防ぐために、ロッテは逆に他カテゴリへの進出を図っています。アイスやビスケット、スイーツとの境界を曖昧にし、チョコレートを含む新しい商品群を作り出すことで市場を取り戻そうとしています。このような柔軟な戦略は、消費者の多様化するニーズに応えるために不可欠です。
温暖化と市場変動に対応する新たな挑戦
地球温暖化がもたらす気候変動は、チョコレート市場にも影響を与えています。ロッテは温暖化に対応するため、商品の発売時期を調整し、品質に対する消費者の不安を払拭しようとしています。特に、「ラミー」や「バッカス」の洋酒チョコレートの発売時期を遅らせることで、品質保持を優先しています。
また、暑い季節にも対応するために新たなフレーバーとして「ガーナミントチョコレート」を導入し、涼しさを感じられる商品を提供しています。これにより、夏場の需要を喚起し、年間を通じてチョコレートを楽しんでもらうための取り組みを強化しています。
結びのない未来への展望
フルタ製菓とロッテが見出す勝算は、キャラクターの力を最大限に活用し、消費者の心を掴むことにあります。また、気候変動や原材料の高騰といった環境の変化にも柔軟に対応し、持続可能なビジネスモデルを模索しています。市場は不透明さを増していますが、これらの企業は革新的なアプローチで新たな価値を創出し、消費者に喜びを提供し続けることで、未来への道を切り開いていくことでしょう。
[田中 誠]