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2024年11月27日 10時17分

『フランケンシュタイン』5年ぶり再々演!2025年の舞台に注目

5年ぶりの再々演『フランケンシュタイン』が示す舞台芸術の力

2025年の春、日本のミュージカルシーンは再び『フランケンシュタイン』という名作によって活気を取り戻すことになる。この作品は、ゴシックロマンの名著に基づき、壮大なストーリーと魅惑的な音楽で観客を魅了してきた。初演は2017年に、続いて2020年の再演を経て、今回5年ぶりに再々演が決定した。製作発表会見が都内で行われ、出演者たちの意気込みが語られた。

中川晃教と加藤和樹が語る『フランケンシュタイン』への思い

中川晃教はビクター・フランケンシュタイン/ジャック役を3度目に演じることについて、「体当たりで挑む」と意気込む。彼にとってこの作品は単なる役ではなく、自身の成長を促すものであり、演じるたびに新たな発見と感動を得ているという。特に、コロナ禍での公演を経験した彼は、その時期を振り返りながら、自らの変化を語った。「役者としての自分が大きく変わった」と述べる彼の言葉には、舞台に立つことの意義が深く刻まれている。

一方、アンリ・デュプレ/怪物役を務める加藤和樹は、「この作品が大好き」と強い思い入れを示す。『フランケンシュタイン』の暗いテーマの中に隠された希望を見つけ出すことが、彼にとっての魅力の一つだと言う。彼が好きな台詞「笑っていいよ」は、作品の深いテーマと彼自身の感情が交差する瞬間であり、演じるたびに胸を打たれるという。

新キャストが加わることで生まれる新たな化学変化

今回の再々演には、新たに小林亮太と島太星がキャストに加わる。小林は「芝居と歌の融合」という新たな挑戦に興奮を隠せない。初参加となる彼は、先輩たちに追いつくために全身全霊で取り組むことを誓い、その熱意はすでに受け取った楽譜の表紙がボロボロになっていることからも伝わる。

島もまた、「命をかけて臨む」と覚悟を示す。彼にとって『フランケンシュタイン』への出演は、役者としての成長だけでなく、自己の存在意義を見つめ直す機会であり、舞台での経験を通じて自身の生きる理由を探求していると言える。

演出家・板垣恭一が描く進化する『フランケンシュタイン』

演出の板垣恭一は、本作の進化を示唆する。「ビクターとアンリの関係性をより深く描くために、許可を得て台本を書き足した」と語る板垣は、キャラクターたちの感情の奥深くに迫るために演出を微調整している。科学者ビクターが人間を創造しようとする理由、その過程での葛藤をより明瞭に描くことで、観客に新たな視点を提供しようとしている。

また、音楽においてもブランドン・リーの力強い旋律が物語を一層引き立てる。演技と歌の融合がどのように進化していくのか、観客は期待を胸に舞台を待ち望んでいる。

5年ぶりに再々演される『フランケンシュタイン』は、キャストとスタッフの情熱と創意工夫によって、新たな生命を吹き込まれた。初演から続くファンの期待に応えるべく、そして新たな観客を魅了するべく、彼らは舞台に立つ。この作品が持つ不朽のテーマは、時代を超えて多くの人々の心に響き続けるだろう。2025年の公演が近づくにつれ、舞台芸術の力とその魅力が再び明らかになることを期待したい。

[高橋 悠真]