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2025年01月02日 06時10分

青学大・原晋監督の自由と平等の哲学が常勝の鍵

青学大・原晋監督の哲学に学ぶ:自由と平等が育む常勝軍団

箱根駅伝の舞台裏には、ただタイムを競うだけではない深い哲学が隠れています。青山学院大学を率いる原晋監督が、その哲学を通じてチームを常勝軍団へと育て上げました。今回は、彼の指導法とその背景にある考え方を探求してみます。

2016年の箱根駅伝で完全優勝を果たした青学大は、再び王座を奪還するためにどのような走りを見せるのでしょうか。原晋監督の指導哲学は、選手たちが自らの成長を促進するための環境作りにあります。彼は監督としての役割を見つめ直し、選手の自主性を尊重することの重要性に気づきました。

束縛から自由へ:選手の自律性を育む指導法

原監督は指導初期において、選手に対する厳しい管理を反省しています。社会人一歩手前の大学生に対し、「規則正しい生活を送りなさい」と指導するも、その重要性を理解させることがポイントだと考えるに至りました。部員たちが自らの成長に気づいたとき、自然と規則を守り始めることを実感したのです。

これはまるで、種を蒔いて水を与えつつも、過度な干渉を避ける庭師のようです。植物が自らの力で太陽に向かって成長するように、選手たちも自発的に成長を遂げるのです。

この考え方は、ビジネスの現場にも通じるものがあります。重要なポイントさえ押さえれば、あとは社員に任せることで、彼らは自らの責任と自由を享受し、成長していくのです。上司の顔色をうかがうのではなく、信頼されていると感じることで、個々の能力が最大限に引き出されます。

チームを支える平等感:エースの育成と組織の活性化

一方で、原監督は「エースの育成」においても独自のアプローチを取っています。エースはチームを牽引する重要な存在ですが、それを担う選手は自然発生的に誕生するべきだと考えています。全員が同じスタートラインから競い合う環境を整えることで、結果的にエースと呼ばれる選手が現れるのです。

指導者が特定の選手をエースとして決めつけることは、他の選手のやる気を削ぐことになります。まるで、まだ発芽していない種に水を与え続けるようなものです。正しい環境を整え、平等な競争の場を提供することで、すべての選手が最大限の力を発揮できるようになります。

この「平等感」は、ビジネスにおいても組織を活性化させる鍵となります。社員一人ひとりにチャンスが与えられる環境は、組織全体の力を底上げする原動力となるのです。

スカウトの失敗から学ぶ:Win-Winの関係構築

過去にはスカウトの失敗も経験した原監督。焦りから記録優先で選手を集めた結果、規律を守らない選手たちが現れ、チームは一時的に混乱しました。この経験を通じて、原監督は「Win-Win」の関係が監督と選手、部員間にも必要であることを痛感しました。

「お願い営業」ではなく、相手に頼りにされる存在となり、互いにメリットをもたらす関係を築くことが重要です。選手に対しても、ただ「来てください」とお願いするのではなく、共に成長するパートナーとしての関係を築くことが求められます。

こうした哲学は、ビジネスの現場でも同様です。相手に対して一方的な姿勢ではなく、互いにメリットがある関係を築くことで、組織全体がハッピーになれるのです。

このように、原晋監督の指導哲学は、選手の自律性を尊重しつつ、平等感とWin-Winの関係を重視することで、チームを常勝軍団へと導いています。彼の考え方は、スポーツのみならずビジネスの現場にも多くの示唆を与えてくれるでしょう。

[中村 翔平]

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