スポーツ
2025年01月02日 18時10分

北口榛花、パリ五輪金メダルまでの道と未来への挑戦

北口榛花、偉業の裏に隠された努力と挑戦

2024年、パリ五輪での金メダル獲得を果たした陸上女子やり投げの北口榛花選手。その成功の背景には、並々ならぬ努力と挑戦がありました。北口選手は、旭川市出身であり、幼少期から水泳やバドミントンに親しんできました。しかし、陸上競技に本格的に取り組み始めたのは高校から。これだけでも彼女の成長の早さと才能がうかがえますが、実際にはその裏に多くの苦労があったのです。

「それで世界一に?」驚きの背景

お笑い芸人・明石家さんまが司会を務める「さんまのまんま」に出演した北口選手は、陸上に出会ったのが遅かったことを告白しました。さんまが「小さい頃から世界陸上を見てたんやろ?」と質問したところ、北口選手は「私、高校からやり投げを始めたので」と回答。このエピソードに、さんまは「それで世界一になったん?」と驚きを隠せませんでした。陸上ファンには知られている彼女の過去ですが、一般の人々にとっては衝撃的な事実だったようです。

彼女がやり投げを始める前は、水泳やバドミントンに打ち込んでいました。特にバドミントンでは、現在日本代表の山口茜選手とも対戦したことがあり、「コテンパンにされた」と笑いながら振り返ります。このような過去が、やり投げでの成功にどのように影響を与えたのでしょうか。

柔軟性と強靭な意志の融合

北口選手の成功の鍵は、彼女の持つ柔軟性と、様々なスポーツに挑戦して培った身体能力にあると考えられます。彼女のトレーニング方法は、筋力強化だけでなく、水泳やバドミントン、体操など多岐にわたります。この幅広いアプローチが、彼女のやり投げ技術に新たな視点を与え、結果的に世界のトップレベルに到達する力を養いました。

また、昨季の彼女は「波」という漢字でシーズンを表現しました。結果は順風満帆に見えましたが、実際には筋力強化により柔軟性を失うなどの困難もあったといいます。それを乗り越えるために、チームと共にトレーニングメニューを見直し、休養を増やすなどの工夫を凝らしました。結果的に金メダルを手にした際には、「不安とか苦しみとかから解放された」と涙を流したそうです。

未来への挑戦とアジア記録の更新

北口選手は2025年に向けて、さらなる飛躍を目指しています。彼女の目標は、世界陸上での2連覇とアジア記録の更新。現在のアジア記録は67メートル98ですが、彼女は自身の記録を塗り替え、最終的には70メートルを目指したいと語っています。

パリ五輪での金メダル獲得を振り返り、「よくやれたなっていう感じ」と話す北口選手。調子が上がりきらない中での挑戦は、プレッシャーとの戦いでもありました。彼女は、シュポタコバ選手の世界記録(72メートル28)を常に目指しつつ、自分自身のスタイルを模索しています。

2025年には東京で世界選手権が開催されます。これまで無観客での試合も経験してきた北口選手は、「皆さんの前でいいメダルを」と意気込んでいます。会場が満員の観客で埋まることを願い、その中で最高のパフォーマンスを発揮したいと語ります。

北口榛花の「初夢」と今後の展望

新年の抱負として掲げた「初夢」には、アジア記録の更新と世界陸上での再びの金メダルが含まれています。彼女は「また皆さんと一緒に金メダルを」と、全国のファンと共に栄光を分かち合うことを夢見ています。

彼女の挑戦はまだまだ続きます。多様なスポーツから得た柔軟性と強靭な意志を武器に、北口選手はさらなる高みを目指しています。彼女の投擲がどこまで飛ぶのか、これからの活躍が楽しみです。

[松本 亮太]

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