ルメール騎手とアッシュルバニパルの挑戦、狙い目はダートと田中博康厩舎
彼の2024年のJRAでの成績は590戦176勝、勝率29.8%でした。全レースの単勝を100円ずつ買った場合、5万9000円の投資に対し、4万3360円の払い戻しなので、1万5640円のマイナス。単勝回収率は73%となり、競馬の世界では控除率の影響で平均回収率が80%前後となる中で、少し低い結果となりました。これは彼の技量不足を示すものではなく、むしろ彼の人気が高すぎるがゆえに、オッズが過剰に低く設定されることが原因です。
狙い目は「渋ったダート」と「田中博康厩舎」
一方で、特定の条件下ではプラス収支を狙うことが可能です。例えば、リステッド&オープン戦での成績は、26戦して勝率31%、単勝回収率108%と、僅かではありますがプラス収支を記録しています。また、ダートの稍重~不良の馬場では、25戦して勝率40%、単勝回収率112%と、馬場が悪くなるほど回収率が上がるという興味深い傾向が見られます。
さらに、田中博康厩舎とのコンビでは驚異的な成績を残しています。15戦して勝率60%、単勝回収率128%と、関東の若手ナンバーワン調教師とのタッグでかなりの成果を上げているのです。こうしたデータから見えてくるのは、単に人気馬だからといって盲目的に賭けるのではなく、条件をしっかりと見極めることの重要性です。
期待を背負うアッシュルバニパル
特に目を引くのは、彼の勝利の内容。3走前の1勝クラスでは、ライバルを圧倒的な7馬身差で制し、2走前では接戦をものにする勝負根性を見せました。これらのレースで手綱を握ったのがルメール騎手であり、彼の存在はアッシュルバニパルにとって大舞台を目指す上で心強い味方となるでしょう。1月12日に予定されているポルックスステークスからの始動が待ち遠しいところです。
競馬というスポーツは、単なる結果だけでなく、その過程や背景にある人々の努力やドラマが見る者の心を惹きつけます。ルメール騎手のようなトップジョッキーや、アッシュルバニパルのような次世代を担う馬たちの活躍を通じて、今年も多くの感動が生まれることでしょう。競馬ファンにとって、これからのシーズンは目が離せないものとなりそうです。
[松本 亮太]