北口榛花と久保凜:日本陸上界を席巻する新星たち
北口榛花と久保凜:日本陸上界の新たなスターたち
北口榛花の「カステラタイム」:ゲン担ぎの背後にあるもの
北口榛花は昨年のパリ五輪で、女子やり投げにおいて日本女子初の金メダリストとなりました。彼女の競技中の間食として話題を呼んだ「カステラタイム」は、単なるおやつではありません。初めてカステラを食べた際に日本記録を出したことで、縁起を担ぐために続けているのです。彼女は「いいことがあると続けたくなる」と語っており、そのこだわりはカステラのメーカーにまで至っています。
また、彼女のトレードマークである蝶々の髪飾りも、やり投げの飛び方と似ていると感じたことから選んだと言います。しかし、ゲン担ぎがどんどん増えてきてしまい、試合ごとに荷物が増えてしまうことに悩んでいる様子も見せています。
チェコでの生活と北口の成長
北口は20歳のときに出会ったセケラック・コーチの指導を受けるためにチェコに渡り、現地での生活を送っています。チェコ語を学びながら、現地の文化や生活にも馴染む彼女は、日本ではあまり酒を飲まなかったものの、チェコではビールを飲む機会が増え、試合後に飲みながら技術論を交わすこともあると語ります。
彼女は酔うと「よく喋る」タイプで、急に電池が切れるように静かになることもあると苦笑いしながら話しました。こういった経験も、彼女が国際的な場で活躍するための重要な一部となっているのでしょう。
久保凜:日本記録保持者としての挑戦
一方、陸上女子800メートルの新星、久保凜は、世界選手権東京大会に向けて大きな目標を掲げています。彼女は昨年、日本女子で初めて2分を切る1分59秒93という日本新記録を樹立しました。彼女の積極的なレース展開と、後半の失速を克服した走りが功を奏し、国内外での評価を高めています。
久保は、日々1人特別メニューで練習に励み、孤独な時間を糧に力をつけています。午前4時半から練習を始め、夜遅くまで自身と向き合い続ける彼女は、その努力を「ただ強くなるために」とシンプルに語ります。彼女の視線は、既に2028年のロサンゼルス五輪に向けられており、20歳で迎えるその舞台では、100年ぶりのメダル獲得を目指しているのです。
日本の未来を担うアスリートたち
北口榛花と久保凜は、それぞれ異なる環境と挑戦を経て、日本陸上界に新たな風を吹き込んでいます。北口のゲン担ぎのエピソードや、チェコでの生活は、彼女がいかに多様な経験を積んでいるかを物語っています。そして、久保の緻密なトレーニングと記録への挑戦は、次世代の日本陸上界の希望を象徴しています。
この二人のアスリートがこれからどのように成長し、国際的な舞台でどのように活躍するのか、ますます期待が高まります。彼女たちの成功は、若い世代のアスリートにとっても大きな刺激となり、日本のスポーツ界全体を活性化させるでしょう。
[伊藤 彩花]