元浦和FWブライアン・リンセン、日本での生活を語る:文化と挑戦の2年半
日本での生活に感動した元浦和FWブライアン・リンセンが語る異文化適応の難しさと日本の魅力
元浦和レッズのFWブライアン・リンセンは、2022年にオランダから日本に移籍し、J1リーグでの挑戦を経て、2024シーズンをもってオランダのNECナイメヘンへと移籍することが決まりました。彼は日本での2年半の生活を振り返り、その独特な文化や生活習慣について、様々な思いを抱いたと語っています。リンセンの経験を通じて見えてくるのは、日本という国が持つ清潔さ、治安の良さ、そしてコミュニケーションの壁です。
日本の文化と習慣に驚いた日々
リンセンがまず感銘を受けたのは、日本社会の規律正しさと清潔さです。スーパーマーケットでの行列に並ぶ際、誰も前に割り込もうとしないことや、道にゴミが落ちていないことに驚かされたと言います。エスカレーターでは左側に立ち、急ぐ人のために右側を空けるといった、日常の小さな習慣が、他者への配慮に溢れています。これらは、オランダでもかつては見られた習慣だと彼は述べていますが、現在では失われつつあると感じたそうです。
また、日本の治安の良さにも驚きを隠せなかったと言います。リンセンは「ドアのカギを開けたまま外出しても安全である」と話し、他人のものを勝手に取らないという文化が根付いていることに感銘を受けたと述べています。
言葉の壁と異文化適応の難しさ
しかし、リンセンが最も苦労したのは、言語の壁でした。日本では英語を話せる人が少ないため、コミュニケーションがスムーズに進まないことも多々ありました。特に東京以外の地域では英語が通じないことが多く、通訳がいなければ日常生活でのやり取りが難しいと感じたと語っています。例えば、美容院で髪型を指定する際も、自分の希望を正確に伝えるために通訳の助けが必要でした。
このような言葉の壁は、文化的な違いと相まって、異国での生活をより一層複雑にします。リンセンは「ある時点で全てを受け入れ、現地のリズムに適応することが大切」と述べ、日本の文化に順応する努力が必要だったと振り返ります。
日本の食文化の魅力
一方で、日本の食文化については絶賛しています。リンセンは「日本の食事は世界一美味しい」と述べ、特に魚や肉の新鮮さに感動したと語っています。毎日のように高品質な食事が楽しめる日本での生活は、彼にとって非常に満足度の高いものでした。ただし、パスタに関してはイタリア料理とは異なる味わいであったと冗談を交えつつコメントしています。
新天地での挑戦と日本での経験
リンセンの日本での経験は、彼が新しい環境での挑戦を乗り越えるための糧となることでしょう。日本での生活を通じて得た異文化適応のスキルや、多様な価値観の理解は、オランダに戻った彼にとって貴重な財産となるはずです。
オランダに戻り、NECナイメヘンでの新たな挑戦を迎えるリンセン。日本での経験を活かし、チームに貢献する姿が期待されます。特にNECに所属する日本人選手たちにとって、リンセンの存在は大きな支えとなることでしょう。彼の語る日本の文化や習慣は、異国での生活を考える上で、多くの示唆を与えてくれます。
[田中 誠]